うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

蔵の師魂

もうすぐ梅雨がやってきますね。 

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 麦焼酎蔵の師魂」です。

鹿児島県は日置市日吉町の小正醸造さんの一品です。

小正醸造さんは明治16年創業で、百有余年の長きにわたり焼酎造りを営まれておられます。

蔵の師魂」シリーズは、本日ご紹介する麦焼酎の他に芋焼酎があります。

薩摩焼酎処の蔵ですから、ラインナップは圧倒的に芋焼酎が多いですね。

麦焼酎はもう一つ木樽蒸留器で蒸留されたものがあるようです。

裏ラベルには、この麦焼酎についてとても詳しく書かれています。

その中でも仕込み水については、日吉町熊野神社「権現さぁの井戸」から湧き出る天然地下水とあります。

この天然地下水は、地下200mまで続くシラス台地に雨水が沁みこみ流れ出すしたもので、鉄分が少なく自然のミネラル成分をバランスよく含んでるようです。

この仕込み水は、焼酎の旨味をより引き立てるようですね。

さらに素焼きの甕でじっくりと熟成されているようです。

小正醸造さんのこだわりが、裏ラベルにしっかりと刻まれています。

原料は国内産の二条大麦、麦麹・黒麹仕込みで常圧蒸留、甕壺熟成の焼酎であります。

 

それでは開栓してみましょう。

香りはといいますと、ほんのりと麦が甘く香り、どちらかといえばフルーティーで華やかな感じですね。

それでは今宵も定番のロックでいただきます。

口に含みますと、キリッと辛口な味わいがまず口に広がります。

辛口な味わいの中に、ほんのりとした麦の甘味が見え隠れです。

むむむ、複雑な味わいですね~

口当たりは黒麹仕込み、常圧蒸留らしい力強さがありますね。

後味は辛味と甘味の絶妙なコラボで、わりとスッキリとキレていきます。

最後にほんのりと麦の芳ばしさが鼻に抜けます。

全体的には辛口の仕上がりで、雑味は少なく思ったよりはスッキリとした味わいです。

しかしながら、口あ当たりは力強いので飲み応えはそれなりにありますね。

ガツンとスッキリの中間的な味わいです。

麦チョコ風味ではないですが、小正醸造さんの狙いはしっかりと表現された焼酎ではないかと思います。

自分は基本麦焼酎好きなので麦焼酎をご紹介する機会が多いですが、今回の「蔵の師魂」のような焼酎を試すと、麦焼酎もなかなか奥深いな~と改めて実感します。

ぼちぼちではありますが、うまい焼酎探しの旅を続けたいと思います。

 

 

月心

新緑の美しい季節になりました。

そしてゴールデンウィークも終わろうとしていますね。

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 麦焼酎月心」です。

大分県は日田市大鶴町の老松酒造さんの一品になります。

老松酒造さんの焼酎は、このブログをスタートしたばかりのころに試した麦焼酎おこげ」以来になりますでしょうか。

おこげ」はまだ焼酎を試し始めたころに味わったので、その独特な味わいをとても鮮烈に感じました。

今回はそんな印象を受けて以来の、老松酒造さんの麦焼酎のご紹介となります。

瓶にかけてある木札には、”もの云わず 心つらぬく 月あかり”とあります。

月心」の名の由来なのでしょうか・・・心の奥底にすっと届く月明かりをイメージされた焼酎なのでしょうね。

ラベルも含めて、なかなか粋な演出がされています。

さて麦焼酎月心」の特徴は、全麹仕込み、中取り蒸留(全量の約60%)、無濾過といったところでしょうか。

アルコール度数も28度とやや高めに設定してあります。

ちなみに裏ラベルには、

”中取りとは:余分な雑味を取り除いた「中」の部分のみの贅沢な酒”

とあります。

わかるような、わからないような・・・・蒸留のいわゆる”本垂れ”の部分のみを取り出したという認識でよいのでしょうか??

ともあれ、贅沢な原酒取りをされていることには間違いなさそうですね。

黒麹・麦麹(全麹)仕込み、中取り減圧蒸留で無濾過仕上げと、老松酒造さんの工夫がいろいろと盛り込まれた麦焼酎であります。

どんな味わいなのか、楽しみですね。

 

それでは、開栓してみましょう。

香りはといいますと、ほんのりとした麦の甘さが漂います。

麦麦しさはほとんどありませんね。

今宵も定番のロックで味わってみます。

口に含みますと、穏やかな麦の甘味がしたかと思うと直後にキリリとした辛味が口いっぱいに広がります。

口あたりは優しいですが、キリっとくる辛味が刺激的な感じです。

この辛味は、黒麹仕込みからくるものなのでしょうね。

後味は、辛味がかなり支配的な中に麦の甘味が見え隠れしながら独特な麦風味が最後に鼻に抜けていきます。

う~ん、なかなか個性的な味わいですね~

減圧蒸留ではありますが、味わいにはなかなかの深みがあります。

このへんも黒麹、全麹のなせる業なのかもしれませんね。

無濾過ながら雑味はほとんどなく、クセは思ったほど強くありません。

最初は辛口な印象ではありましたが、飲み進むにつれその辛味に慣れてくるのも面白いところです。

自分好みの麦チョコ風味の麦焼酎ではありませんが、老松酒造さんの「月心」に対するこだわりを楽しめる麦焼酎だと思います。

造り込みが多角的な焼酎なので、飲み手もいろんな角度で味わえると言ったところでしょうか。

老松酒造さんが焼酎で表現する”月あかり”が、まさに「月心」なのでしょうね。

 

 

 

 

天嵐坊

 早いもので2019年も2月が終わろうとしています。

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久しぶりの更新となります。

といいましても久しぶりの更新をしようとしたら、以前のブログを引っ越ししないといけない状況になっておりました・・・

大慌てでとりあえず引っ越しした次第です。

ボチボチの更新となりますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

それでは本題の焼酎をご紹介します。

芋焼酎天嵐坊」です。

宮崎県は児湯郡黒木本店さんの一品です。

黒木本店さんの焼酎は、これまで麦焼酎中々」をはじめとした麦焼酎芋焼酎をご紹介させていただきました。

どれもうまい焼酎で、今も黒木本店さんの麦焼酎は常備しております。

今回ご紹介するのは、なんと”山芋焼酎”になります。

実は「天嵐坊」の存在は、以前から酒屋さんで見かけて知っておりました。

しかし原料が”山芋”ということで、味わいを全くイメージできずなかなか手を伸ばせなかった次第です。

今回は思い切って入手してみました(笑)

原料は”山芋”のみでなく麦も使用されているようです。

ラベルに尾鈴山の絵が描かれているので、尾鈴山蒸留所で醸されているのかもしれませんね。

麹は麦麹・白麹、常圧蒸留で醸された焼酎であります。

一体どんな味わいなのか、ちょっとドキドキします。

 

栓を開けますと、香りは・・・香りは・・・・よくわかりません(ToT)

そうです、この時期は例年通りスギ花粉に鼻をやられています・・・

自分の地域では、今年は例年より花粉飛散量が多いらしく完全にやられています。

かなりしつこくくんくん匂ってみたんですが、さっぱり香らないです。

申し訳ないですが、きっと山芋の甘い香りがするのではないでしょうか??

 

それでは今宵も定番のロックでいただいてみましょう。

口に含みますと、ほんのり甘味がしたかと思えばすぐにキリっとした辛みが広がります。

ほんのりとした甘味は明らかに麦の甘味ではないので、山芋の甘味なんでしょうね。

後味は、これまでに味わったことのない何ともいえない独特の風味が広がります。

その後は甘さと辛さがバランスしながら、スッとキレていきます。

独特ですね~

”山芋”ってこんな特徴を持った味わいなんですかね。

自分は山芋は結構好きな方なのでよく食すのですが、山芋のもつ甘さとかは特に意識してなかったですね。

そこで思い立って冷蔵庫を物色してみますと、あるではないですか山芋が!!

もしかして親子飲みをしてみると、山芋風味がいっそう引き立って美味しく味わえるのではないかと・・・

普段はポン酢とかかけて頂くのですが、何もつけずにそのまままガブリッ!

口のなかでシャリシャリネバネバの状態で、「天嵐坊」を口に含んでみました。

う~ん、なんか山芋の味わいが特別に引き立つわけでもなく、普通にうまいです(笑)

 全体的な味わいは山芋由来と思われる独特な風味があり、味わいはサツマイモとは別次元の味わいなので好みは別れるのではないかと思います。

”山芋”という原料ならではの味わいを楽しむという点で、とても面白い焼酎だと思います。

黒木本店さんのいろんな事への挑戦の一角を、少しだけ垣間見ることができたのかなと思います。

今回は花粉にやられてしっかりと味わいが確認できなかったので、花粉の時期が過ぎた頃にもう一度しっかり味わいを確認してみたいなと思います。

地酒蔵のウヰスキー

秋の訪れを感じるようになりました。
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地酒蔵のウヰスキー」です。
本日ご紹介するのは、焼酎でなくウイスキーでございます。
富山県砺波市若鶴酒造さんの一品です。
若鶴酒造さんは、1862年創業で清酒若鶴」を醸されておられる地酒蔵です。
昭和27年にウイスキーの製造免許を取得され、今日まで本格的な”地ウイスキー」を造っておられます。
さて「地酒蔵のウヰスキー」ですが、原酒は約20年程熟成させたアルコール度数約60度のものと、3年以上熟成させたモルトを調合して香味を整えてから度数37%程度まで調整し瓶詰めされているとのことです。
ラベルに印刷された原料名が、”モルト、グレーン、ブレンド用アルコール”となっています。
ブレンダーの手により、モルトとグレーンが絶妙にブレンドされているのでしょうね。
伝統的な製法の単式蒸留釜で2回ないし3回蒸留、そして樫樽の中でじっくり寝かせたものを調合したブレンデッドウイスキーであります。
ウイスキーは普段あまり飲まないのですが、清酒を醸されている蔵のウイスキーの味わいがどのようなものかとても楽しみですね。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、ほのかな甘さの中にほんのりと樫樽とピートの芳ばしさが漂います。
ウイスキーらしい香りですね。
それではこのジャパニーズウイスキーを、定番のロックでいただきます。
口に含みますと、ほんのりとした甘さがまず口いっぱいに広がります。
口当たりは、円やかな優しい感じです。
やがてほのかな甘さの中に、酸味とドライな風味がほんのりピートの風味をお供にして、絶妙なバランスでフェードインしてきます。
後味は甘味と酸味と辛さのほど良い余韻を残しながら、ピートの風味と樫樽の香りがゆらゆらとスモーキーな芳ばしさとなって鼻に抜けます。
おぉ、うまいですね〜
口あたりは優しく円やかで、パンチはそれほど強くないように感じますが、ピートと樫樽のスモーキーな芳ばしい余韻がとて粘り強く長く楽しめます。
当然のことながら麦焼酎とは全く異なる味わいですが、クセの強い麦焼酎を好まれる方なら気に入っていただけるのでは?と思われます。
個人的には、「地酒蔵のウヰスキー」をとても気に入りました。
この味わいで価格もとてもリーズナブルなので、正直常備してみたいなと思います。
好みの麦焼酎を楽しむ傍ら、時々「地酒蔵のウヰスキー」を味わうと、麦を原料とした蒸留酒をさらに面白く楽しめそうですね。
ふとした時にまた、ジャパニーズウイスキーに目を向けてみたいなと思います。

花は霧島

朝夕少しずつ涼しくなってきました。
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麦焼酎花は霧島」です。
鹿児島県は霧島市の霧島町蒸留所さんの一品です。
霧島町蒸留所さんは、明治44年からの創業で国立公園の霧島のふもと、大自然に囲まれた中で蔵を営まれています。
社名はもとはさつま霧島酒造でしたが、合弁でなくなる地名を残したいという願いから、今の霧島町蒸留所に変更されたようです。
さて霧島町蒸留所さんといえば、やはり芋焼酎明るい農村」が有名でしょうか。
しかしここは麦好き、あえて麦焼酎花は霧島」をチョイスしました。
実は「明るい農村」をまだ試したことがないので、機会あれば試してみたいと思っています。
今回ご紹介するのは、「花は霧島」の長期貯蔵になります。
甕壺で3年以上の貯蔵となっています。
名前の由来ですが、鹿児島民謡 オハラ節の♪花は霧島、たばこは国分、燃えてあがるは桜島♪からのようです。
霧島連山は、多くの草花や木々の花に覆われていて、登山道の起点となる高千穂河原から一歩山へ踏み込むと、花、花、花の連続なんだそうです。
霧島へは以前に一度だけ訪れたことがありますが、確かに緑豊かな美しいところでした。
きっと花も美しかったとことと思いますが、なぜかブルーベリー狩りとかして楽しんでました(笑)
温泉もとても素晴らしかったです。
またぜひ訪れてみたいですね。
その時は、景色の”花は霧島”を存分に楽しんでみたいと思います。
ちょっと脱線しましたが、「花は霧島」は麦を原料に麦麹・白麹仕込みで常圧蒸留で醸され、加水には霧島名水が使用された焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
ほんのり麦の中にあま〜い香りが漂います。
なかなかよい香りですね。
どんな味わいなのか、今宵もいつものロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、ほんのりとした甘味がまず広がります。
麦麦しさはほとんどなく、長期熟成らしい優しい口当たりです。
後味も口当たりのほんのりとした甘味を残しつつ、ごく穏やかに麦風味が鼻に抜け、すっとキレていきます。
うむむ、なかなかうまいですね・・・
全体的には、長期熟成ならではの円く優しい、穏やかな味わいです。
キレもよいので、するするっと飲める感じですね。
しかし優しいながらも麦のコクはしっかりとした、うまい焼酎だと思います。
準麦チョコ風味の麦焼酎といったところでしょうか。
自分は基本的にガツンと力強く麦麦しい麦焼酎が好みではありますが、「花は霧島」のような優しい味わいの中にしっかりとした麦のコクがある麦焼酎も、最近はいいなと思うようになりました。
夏も終わり秋に入り、秋の夜長にゆっくりとそしてじっくりと味わうのにピッタリの麦焼酎ではないでしょうか。
それぞれの蔵がその思いを表現した焼酎は、その時々の楽しみ方がありますね。
飲み手としてはこの上なし、焼酎は本当に奥深いですね。