うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

若紫ノ君

だんだんと蒸し暑くなってきましたね。

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 しそ焼酎「若紫ノ君」です。

焼酎メーカーとして大手の宝酒造さんの一品です。

宝酒造さんの焼酎は、芋焼酎一刻者」をご紹介して以来となります。

これまでいろんな原料の焼酎をご紹介してきましたが、”しそ”を原料とした焼酎をご紹介するのは今回が初めてとなります。

それにしても、焼酎の原料はほんとうに多様ですね。

”しそ”といえば、魚の臭みを消してみたり寿司や料理の香味付けをはじめ、天ぷらなんかにして食されたりと、料理には幅広く利用される香味野菜(ハーブ)といったところでしょうか。

あと食欲を増進したりする効果もあるようです。

最近の研究では、アレルギー緩和の効果にも期待されているようですね。

そんな”しそ”という素材を原料にするにあたっては、特有の爽やかな香りとともに青臭も同時に出てしまう問題があったそうです。

そこで宝酒造さんは、独自技術によって青臭さをとることに成功されたんだそうです。

ちなみに”しそ”のあの爽やかな香りは、”ペリルアルデヒド”という成分に由来するそうです。

宝酒造さんの独自技術は、高濃度の”ペリルアルデヒド”の抽出に成功されたんでしょうね。

とはいえ「若紫ノ君」のベースは、あくまで麦焼酎です。

その中で”しそ”使用比率は3%以上となっております。

本日ご紹介するのはアルコール度数は20度のものですが、25度のものもあるようです。

赤しそと麦を原料に、減圧蒸留で醸された焼酎であります。

さて、どんな味わいなのかとても楽しみですね。

 

それでは早速、開栓してみましょう。

香りはといいますと・・・おぉぉ~結構しそが香ります。

なんだか爽やか。

これはもうロックでいただきましょう。(そうでなくてもロックですが・・・)

口に含みますと、まずはしその風味が口いっぱいに広がります。

甘味がほんのり極々わずかにしたかと思うと、独特の苦みがフェードインしてきます。

苦みはやがて口いっぱいに広がります。

おぉぉ!しそしそしいですね~

後味は苦みが辛味をお供にしつつ、すっとキレていきます。

そして最後にゆらゆらとしその香りが鼻にぬけていきます。

う~ん、想像以上にしそがよく香ります。

率直な感想ですが、ルピシアフレーバーティーならぬしそのフレーバー焼酎といったところでしょうか。

実は自分は香味野菜や香草(ハーブ)といったたぐいのものが好物でして、しそをはじめパセリ、セロリ、クレソン、冥加、パクチー三つ葉といったものをよく食べます。

いわゆる臭い葉っぱ類が、大得意なんであります。

したがいまして、しそがよく香る「若紫ノ君」を個人的には大変気に入りました。

特にこの蒸し暑くなってきた時期に、じつに爽やかに楽しめるうまい焼酎だと思います。

自分は基本的に後酒ですが、食事に特に和食に合う焼酎ではないかと思います。

様々な原料を楽しめる焼酎は、本当に面白いですね。

 

さて焼酎とは関係ありませんが、写真は先月に撮影したものです。

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何かさっぱりわかりませんね(笑)

実はホタルです。

毎年、家のすぐ前に現れます。

でも年を追うごとに、その数は明かに減少しています。

来年もぜひ現れて欲しいものです。

 

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 こちらは、もうずいぶんと前に撮影しましが、ノコギリクワガタです。

写真ではわかりにくいですが、つがいです。

こちらも家のすぐ前の雑木林で見られます。

今年ももう現れているころでしょうね。

昆虫や生き物は子供のころから大好きで、今もこういった光景に巡り合えると嬉しく思います。

蔵の師魂

もうすぐ梅雨がやってきますね。 

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 麦焼酎蔵の師魂」です。

鹿児島県は日置市日吉町の小正醸造さんの一品です。

小正醸造さんは明治16年創業で、百有余年の長きにわたり焼酎造りを営まれておられます。

蔵の師魂」シリーズは、本日ご紹介する麦焼酎の他に芋焼酎があります。

薩摩焼酎処の蔵ですから、ラインナップは圧倒的に芋焼酎が多いですね。

麦焼酎はもう一つ木樽蒸留器で蒸留されたものがあるようです。

裏ラベルには、この麦焼酎についてとても詳しく書かれています。

その中でも仕込み水については、日吉町熊野神社「権現さぁの井戸」から湧き出る天然地下水とあります。

この天然地下水は、地下200mまで続くシラス台地に雨水が沁みこみ流れ出すしたもので、鉄分が少なく自然のミネラル成分をバランスよく含んでるようです。

この仕込み水は、焼酎の旨味をより引き立てるようですね。

さらに素焼きの甕でじっくりと熟成されているようです。

小正醸造さんのこだわりが、裏ラベルにしっかりと刻まれています。

原料は国内産の二条大麦、麦麹・黒麹仕込みで常圧蒸留、甕壺熟成の焼酎であります。

 

それでは開栓してみましょう。

香りはといいますと、ほんのりと麦が甘く香り、どちらかといえばフルーティーで華やかな感じですね。

それでは今宵も定番のロックでいただきます。

口に含みますと、キリッと辛口な味わいがまず口に広がります。

辛口な味わいの中に、ほんのりとした麦の甘味が見え隠れです。

むむむ、複雑な味わいですね~

口当たりは黒麹仕込み、常圧蒸留らしい力強さがありますね。

後味は辛味と甘味の絶妙なコラボで、わりとスッキリとキレていきます。

最後にほんのりと麦の芳ばしさが鼻に抜けます。

全体的には辛口の仕上がりで、雑味は少なく思ったよりはスッキリとした味わいです。

しかしながら、口あ当たりは力強いので飲み応えはそれなりにありますね。

ガツンとスッキリの中間的な味わいです。

麦チョコ風味ではないですが、小正醸造さんの狙いはしっかりと表現された焼酎ではないかと思います。

自分は基本麦焼酎好きなので麦焼酎をご紹介する機会が多いですが、今回の「蔵の師魂」のような焼酎を試すと、麦焼酎もなかなか奥深いな~と改めて実感します。

ぼちぼちではありますが、うまい焼酎探しの旅を続けたいと思います。

 

 

月心

新緑の美しい季節になりました。

そしてゴールデンウィークも終わろうとしていますね。

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 麦焼酎月心」です。

大分県は日田市大鶴町の老松酒造さんの一品になります。

老松酒造さんの焼酎は、このブログをスタートしたばかりのころに試した麦焼酎おこげ」以来になりますでしょうか。

おこげ」はまだ焼酎を試し始めたころに味わったので、その独特な味わいをとても鮮烈に感じました。

今回はそんな印象を受けて以来の、老松酒造さんの麦焼酎のご紹介となります。

瓶にかけてある木札には、”もの云わず 心つらぬく 月あかり”とあります。

月心」の名の由来なのでしょうか・・・心の奥底にすっと届く月明かりをイメージされた焼酎なのでしょうね。

ラベルも含めて、なかなか粋な演出がされています。

さて麦焼酎月心」の特徴は、全麹仕込み、中取り蒸留(全量の約60%)、無濾過といったところでしょうか。

アルコール度数も28度とやや高めに設定してあります。

ちなみに裏ラベルには、

”中取りとは:余分な雑味を取り除いた「中」の部分のみの贅沢な酒”

とあります。

わかるような、わからないような・・・・蒸留のいわゆる”本垂れ”の部分のみを取り出したという認識でよいのでしょうか??

ともあれ、贅沢な原酒取りをされていることには間違いなさそうですね。

黒麹・麦麹(全麹)仕込み、中取り減圧蒸留で無濾過仕上げと、老松酒造さんの工夫がいろいろと盛り込まれた麦焼酎であります。

どんな味わいなのか、楽しみですね。

 

それでは、開栓してみましょう。

香りはといいますと、ほんのりとした麦の甘さが漂います。

麦麦しさはほとんどありませんね。

今宵も定番のロックで味わってみます。

口に含みますと、穏やかな麦の甘味がしたかと思うと直後にキリリとした辛味が口いっぱいに広がります。

口あたりは優しいですが、キリっとくる辛味が刺激的な感じです。

この辛味は、黒麹仕込みからくるものなのでしょうね。

後味は、辛味がかなり支配的な中に麦の甘味が見え隠れしながら独特な麦風味が最後に鼻に抜けていきます。

う~ん、なかなか個性的な味わいですね~

減圧蒸留ではありますが、味わいにはなかなかの深みがあります。

このへんも黒麹、全麹のなせる業なのかもしれませんね。

無濾過ながら雑味はほとんどなく、クセは思ったほど強くありません。

最初は辛口な印象ではありましたが、飲み進むにつれその辛味に慣れてくるのも面白いところです。

自分好みの麦チョコ風味の麦焼酎ではありませんが、老松酒造さんの「月心」に対するこだわりを楽しめる麦焼酎だと思います。

造り込みが多角的な焼酎なので、飲み手もいろんな角度で味わえると言ったところでしょうか。

老松酒造さんが焼酎で表現する”月あかり”が、まさに「月心」なのでしょうね。

 

 

 

 

天嵐坊

 早いもので2019年も2月が終わろうとしています。

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久しぶりの更新となります。

といいましても久しぶりの更新をしようとしたら、以前のブログを引っ越ししないといけない状況になっておりました・・・

大慌てでとりあえず引っ越しした次第です。

ボチボチの更新となりますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

それでは本題の焼酎をご紹介します。

芋焼酎天嵐坊」です。

宮崎県は児湯郡黒木本店さんの一品です。

黒木本店さんの焼酎は、これまで麦焼酎中々」をはじめとした麦焼酎芋焼酎をご紹介させていただきました。

どれもうまい焼酎で、今も黒木本店さんの麦焼酎は常備しております。

今回ご紹介するのは、なんと”山芋焼酎”になります。

実は「天嵐坊」の存在は、以前から酒屋さんで見かけて知っておりました。

しかし原料が”山芋”ということで、味わいを全くイメージできずなかなか手を伸ばせなかった次第です。

今回は思い切って入手してみました(笑)

原料は”山芋”のみでなく麦も使用されているようです。

ラベルに尾鈴山の絵が描かれているので、尾鈴山蒸留所で醸されているのかもしれませんね。

麹は麦麹・白麹、常圧蒸留で醸された焼酎であります。

一体どんな味わいなのか、ちょっとドキドキします。

 

栓を開けますと、香りは・・・香りは・・・・よくわかりません(ToT)

そうです、この時期は例年通りスギ花粉に鼻をやられています・・・

自分の地域では、今年は例年より花粉飛散量が多いらしく完全にやられています。

かなりしつこくくんくん匂ってみたんですが、さっぱり香らないです。

申し訳ないですが、きっと山芋の甘い香りがするのではないでしょうか??

 

それでは今宵も定番のロックでいただいてみましょう。

口に含みますと、ほんのり甘味がしたかと思えばすぐにキリっとした辛みが広がります。

ほんのりとした甘味は明らかに麦の甘味ではないので、山芋の甘味なんでしょうね。

後味は、これまでに味わったことのない何ともいえない独特の風味が広がります。

その後は甘さと辛さがバランスしながら、スッとキレていきます。

独特ですね~

”山芋”ってこんな特徴を持った味わいなんですかね。

自分は山芋は結構好きな方なのでよく食すのですが、山芋のもつ甘さとかは特に意識してなかったですね。

そこで思い立って冷蔵庫を物色してみますと、あるではないですか山芋が!!

もしかして親子飲みをしてみると、山芋風味がいっそう引き立って美味しく味わえるのではないかと・・・

普段はポン酢とかかけて頂くのですが、何もつけずにそのまままガブリッ!

口のなかでシャリシャリネバネバの状態で、「天嵐坊」を口に含んでみました。

う~ん、なんか山芋の味わいが特別に引き立つわけでもなく、普通にうまいです(笑)

 全体的な味わいは山芋由来と思われる独特な風味があり、味わいはサツマイモとは別次元の味わいなので好みは別れるのではないかと思います。

”山芋”という原料ならではの味わいを楽しむという点で、とても面白い焼酎だと思います。

黒木本店さんのいろんな事への挑戦の一角を、少しだけ垣間見ることができたのかなと思います。

今回は花粉にやられてしっかりと味わいが確認できなかったので、花粉の時期が過ぎた頃にもう一度しっかり味わいを確認してみたいなと思います。

地酒蔵のウヰスキー

秋の訪れを感じるようになりました。
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地酒蔵のウヰスキー」です。
本日ご紹介するのは、焼酎でなくウイスキーでございます。
富山県砺波市若鶴酒造さんの一品です。
若鶴酒造さんは、1862年創業で清酒若鶴」を醸されておられる地酒蔵です。
昭和27年にウイスキーの製造免許を取得され、今日まで本格的な”地ウイスキー」を造っておられます。
さて「地酒蔵のウヰスキー」ですが、原酒は約20年程熟成させたアルコール度数約60度のものと、3年以上熟成させたモルトを調合して香味を整えてから度数37%程度まで調整し瓶詰めされているとのことです。
ラベルに印刷された原料名が、”モルト、グレーン、ブレンド用アルコール”となっています。
ブレンダーの手により、モルトとグレーンが絶妙にブレンドされているのでしょうね。
伝統的な製法の単式蒸留釜で2回ないし3回蒸留、そして樫樽の中でじっくり寝かせたものを調合したブレンデッドウイスキーであります。
ウイスキーは普段あまり飲まないのですが、清酒を醸されている蔵のウイスキーの味わいがどのようなものかとても楽しみですね。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、ほのかな甘さの中にほんのりと樫樽とピートの芳ばしさが漂います。
ウイスキーらしい香りですね。
それではこのジャパニーズウイスキーを、定番のロックでいただきます。
口に含みますと、ほんのりとした甘さがまず口いっぱいに広がります。
口当たりは、円やかな優しい感じです。
やがてほのかな甘さの中に、酸味とドライな風味がほんのりピートの風味をお供にして、絶妙なバランスでフェードインしてきます。
後味は甘味と酸味と辛さのほど良い余韻を残しながら、ピートの風味と樫樽の香りがゆらゆらとスモーキーな芳ばしさとなって鼻に抜けます。
おぉ、うまいですね〜
口あたりは優しく円やかで、パンチはそれほど強くないように感じますが、ピートと樫樽のスモーキーな芳ばしい余韻がとて粘り強く長く楽しめます。
当然のことながら麦焼酎とは全く異なる味わいですが、クセの強い麦焼酎を好まれる方なら気に入っていただけるのでは?と思われます。
個人的には、「地酒蔵のウヰスキー」をとても気に入りました。
この味わいで価格もとてもリーズナブルなので、正直常備してみたいなと思います。
好みの麦焼酎を楽しむ傍ら、時々「地酒蔵のウヰスキー」を味わうと、麦を原料とした蒸留酒をさらに面白く楽しめそうですね。
ふとした時にまた、ジャパニーズウイスキーに目を向けてみたいなと思います。