吉酎

「吉酎」です。
長崎県は長崎市の霧氷酒造さんの一品です。
「吉酎」はPBとなってまして、
麦焼酎は霧氷酒造さん、芋焼酎は鹿児島県の原口酒造さんで造られています。
霧氷酒造さんは明治時代から創業されていますが、当時は島原で焼酎を造られていたので、
平成３年の雲仙普賢岳の噴火による被災で、休業を余儀なくされたようです。
その後幾多の苦難を乗り越えられ、２０年後に焼酎造り再開にこぎつけることができたそうです。
多くの方々の支援や、蔵人達の思いで続けることのできた焼酎造り・・・
何か熱いものを感じます。
麦焼酎「吉酎」は地元の諫早産の二条大麦ニシノホシを原料に醸されています。
麹には米麹・白麹を使用し、
常圧蒸留品と減圧品をブレンドして造られた焼酎であります。
栓を開けますと、ほんのりと麦の甘い香りです。
では、定番のロックでいただきましょう。
口に含みますと、すっきりとした甘みが広がります。
麦の甘みというよりは、やはり米麹ゆえんの甘みに感じます。
口あたりは、白麹の焼酎らしく円やかです。
後味は、ほんのり麦の甘みと芳ばしさを残す感じでキレがとてもよいです。
常圧と減圧のブレンドだからでしょうか、とてもスッキリとした味わいに仕上がっています。
先にご紹介しました同じく米麹の麦焼酎「千々」に通ずる味わいで、
「千々」よりさらにスッキリとしたライトな味わいです。
しっかりとした麦ﾁｮｺ風味ではありませんが、後味も麦の甘みと芳ばしさを楽しめるので、
食中酒としてもイケますし、後酒でも十分楽しめる焼酎だと思います。
今回は壱岐焼酎以外の長崎県産の焼酎を初めて試してみましたが、
長崎県でもうまい焼酎を造られているなと思いました。
困難を乗り越え復活を成し遂げた霧氷酒造さんには、
これからも勢力的に焼酎造りを頑張っていただきたいと思います。