うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

百年の孤独


麦焼酎百年の孤独」です。
ずいぶん前に師匠にご馳走になって以来の再登場となります。
宮崎県は高鍋町黒木本店さんの一品です。
黒木本店さんの麦焼酎は、当ブログで「中々」、「山猿」を以前にご紹介させていただきました。
百年の孤独」は、原酒「中々」を木樽で長期熟成されて造られております。
木樽は、オーク(楢)が使用されているようです。
名前の由来は、コロンビア出身のノーベル賞作家、ガルシア=マルケスの小説「百年の孤独」からとられたということです。
コルクのラベルと英文字の印字が、洋酒らしい雰囲気を醸し出していますね。
大麦を原料に、麦麹・白麹で醸されオーク樽で長期熟成された焼酎であります。
栓を開けますと、麦のほんのり甘い香りとフルーティーな香りが入り混じりながら漂います。
それでは定番のロックでいただきましょう。
口に含みますと、麦のほんのりとした甘みの直後にフルーティーな風味がふわっと広がります。
そして後味は、「中々」でおなじみの黒木本店さんらしい麦のコクとスモーキーな麦の芳ばしさが伸びていきます。
余韻はやや鼻に抜ける麦の芳ばしさと、やや酸味をおびたフルーティーな風味が残ります。
うまいですねぇ・・・
氷が解けていくほどに、麦のコクとスモーキーな風味が強まる感じです。
アルコール度数は40度ありますが、それを感じさせない優しい口あたりです。
木樽の長期熟成によるものでしょうね。
ラベル同様、味わいも洋酒を感じさせる仕上がりになっています。
これは「兼八 森のささやき」に通ずるものがあると感じます。
瓶の横の方には小さく
When you hear music ,after it's over, it's gone in the air.
You can never capture it again.
の文字が入っておりまして、これはアメリカのジャズ演奏者の
ERIC DOLPHYの言葉なんだそうです。
自分流に解釈しますと、(違ってましたら申し訳ありません)
”一度耳にした調べは、かなたに去って二度と戻っては来ない”
という感じでしょうか。
この言葉を目にしてハッとしたのですが、
この「百年の孤独」を一口味わった瞬間、その味わいはもうかなたにあります。
そして次の一口が、また新鮮に味わえます。
音楽を聴くことと焼酎を味わうことは、”今”というこの瞬間を楽しむという意味で共通しているのかもしれませんね。
明治十八年からずっと培われてきた黒木本店さんの思いが、
しっかりと濃縮されたうまい麦焼酎だと思います。