うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

㐂六 冬期限定新酒

日中はずいぶんと暖かくなってきました。

芋焼酎㐂六 冬期限定新酒」です。
宮崎県は黒木本店さんの一品です。
黒木本店さんの焼酎は、これまで麦焼酎中々」、「山猿」、「百年の孤独」や芋焼酎㐂六」を試してご紹介させていただきました。
いずれもレベルの高さを感じるうまい焼酎でした。
今回は芋焼酎㐂六」の冬期限定の新酒をご紹介したいと思います。
以前にご紹介させていただきました「㐂六」は3年熟成された焼酎でしたが、
㐂六 冬期限定新酒」はその名の通り2013年の冬に蒸留したてを瓶詰した新酒であります。
しかも無濾過、無調整で割水のみとなっていますね。
㐂六」を蒸留したてそのままをいただく感じなんでしょうね。

ちなみに裏のラベルには、2013年に栽培された芋は酷暑に耐えて質の高い芋が豊作であったとあります。
期待が持てますね!
芋焼酎の新酒をいただくのも、これが初めてとなるのでとても楽しみです。
黄金千貫を原料に、黒麹・米麹で常圧蒸留で醸され加水直後に瓶詰された焼酎であります。
栓を開けますと、むむむ・・・
これは独特な香りです。
花粉の影響がまだ残っている鼻ではありますが、
芋の甘い香りの中に、ほんのりガス臭を感じますね。
新酒ならではの香りなのかもしれません。
では定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますとガス臭の風味がフワっと広がり、新刺激的な口あたりです。
新酒らしいフレッシュさが伝わりますね。
その直後にしっかりとした芋の甘みとコクが口いっぱいに広がります。
口に含んだ瞬間から、風味がぐっと変化するのに驚きますね!
そして真骨頂は後味です。
独特のコクのある芋芋しさと雑味が芳ばしく鼻に抜けていきます。
余韻は長く、いつまでも芋の風味が楽しめます。
うまいですねぇ・・・
香りと口あたり、味わいと後味の余韻・・・変化がドラマチックでとても面白いと思います。
グラスの中を覗くと、沢山のフーゼル油が氷や縁にぺったりへばり付いていますね。
新酒、そして無濾過・無調整ならではの味わいが楽しめる、うまい焼酎だと思います。
ちなみに日にちが経つにつれて、最初に感じられたガス臭はほとんどなくなってしまいます。
刺激的な口あたりもやや円やかになりますね。
裏ラベルに”常温で瓶内熟成します。”とありますので、熟成が進んでしまったのかもしれません。
しかしながら、後味の芋芋しいコクと雑味や鼻に抜ける芋の芳ばしさは顕在なので時間が経っても楽しめます。
ちなみに「㐂六」と飲み比べてみましたが、スッキリとした口あたりで芋の甘さの余韻が優しく残る「㐂六」に対して、新酒は後味の芋芋しいコクと芳ばしさが重厚であることがよく分かります。
飲みごたえという点では、新酒の方に軍配ですね。
自分はこれまで芋焼酎についてはスッキリとした味わいを好んできましたが、「㐂六 冬期限定新焼酎」を試してみて芋の雑味やコクの味わえる芋芋しい味わいもよいなと思えました。
熟成や濾過・調整などの一つ一つの工程に、その味わいに色濃く変化をもたらす焼酎の奥深さをまた一つ知ることができたような気がします。
今年もぜひ2014年の「㐂六 冬期限定新焼酎」をまた味わってみたいと思います。