うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

超にごり麦汁 麦磨き八十

大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
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今年一番最初にご紹介する焼酎となります。
麦焼酎超にごり麦汁 麦磨き八十」です。
熊本県球磨郡の豊永酒造さんの一品です。
豊永酒造さんといえば、球磨焼酎を担う球磨28蔵の内の一つの蔵となります。
豊永酒造さんの焼酎は、レギュラー麦焼酎麦汁」を以前にご紹介させていただきました。
麦汁」はその名の通り麦をギュッと絞って造られたような、麦麦しい麦チョコ風味のうまい焼酎でした。
今回はその「麦汁」の「麦磨き八十」をご紹介します。
超にごり麦汁 麦磨き八十」の特徴の一つは、蒸留した原酒を無調整、無濾過で加水して瓶詰めされていることです。
なるほど”超にごり”の名の通りよく濁っていますね。
もう一つは、”麦磨き八十”の通り精麦歩合を80%に抑えてあるというところです。
麦焼酎の一般的な精麦歩合は60〜70%で、65%前後のようです。
麦や米は、雑味の元となる粗脂肪や粗タンパクが外側(殻側)になるほど多く含まれるので、粗脂肪、粗タンパクを落とし雑味を少なくする目的で精米、精麦されるようです。
ただし麦の場合は米と異なり、粗脂肪については米では80%の精米で玄米の約95%が除去されるのに対し、麦は70%の精麦でも玄麦の約60%が除去されるに過ぎないそうです。
つまり、麦は雑味の元となる粗脂肪が残り易いんですね。
超にごり麦汁 麦磨き八十」は精麦歩合80%ですから、ほぼ玄麦に近い粗脂肪、粗タンパクの状態の裸麦を原料にされていることになりますね。
う〜ん、すごいですね。
一体どんな風味に仕上がっているのかがとても楽しみです。
麦麹・白麹仕込み常圧蒸留で醸され、”磨かず、濾過せず 調整せず”の麦焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
ポンッといい音がして、ガスが抜けます。
香りはやや酸味があり、ややガス臭が混じった麦麦しい感じです。
それでは今年も定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、しっかりとした麦の甘味が広がると同時に、ほんのりガス臭そして酸味、渋み、苦み、なんだかよくわからない雑味が口の中いっぱいに広がります。
後味は一転して爆発的にスモーキーな麦麦しさが沸き上がり、麦の甘い余韻を残しつつ、スモーキーな麦の芳ばしさがほんのりガス臭と雑味をお供に連れながら鼻に抜けていきます。
スモーキーな麦の余韻はとても深く、長く味わえます。
おぉぉぉ・・・これはすごい!
うまいですねぇ。
口当たりのしっかりとした麦の甘味とともに訪れる雑味のデパート・・・
ものすごい飲み応えのうまい焼酎であります。
全体的な風味は麦チョコ風味なので、麦チョコ風味を好まれる方には気に入っていただけるのではと思います。
ですが、ガス臭と雑味が苦手な方には向かないかもしれませんので、飲み手を選ぶことになるかと思います。
自分はこのドッシリとくる飲み応え、雑味と爆発的に沸き上がるスモーキーな麦風味がクセになりとても気に入りました。
”磨かず、濾過せず、調整せず”の何も引かないというコンセプトの中に、豊永酒造さんの培ってこられた技が見事に織り込まれていますね。
今年も始まりから、とても素晴らしい焼酎に出逢えることができました。
この一年も新たな焼酎探しが楽しみです。