ずいぶんと涼しくなり、秋の気配のする今日この頃です。
麦焼酎「MADURA BLACK(マドラ ブラック)」です。
”脱藩黒蝶統の会”プロデュースのボトルになります。
”脱藩黒蝶統の会”でプロデュースされた作品は、以前に麦焼酎「脱藩黒蝶 忠義」をご紹介させていただきました。
「脱藩黒蝶 忠義」は、9年熟成で深みのあるなかなかうまい焼酎でした。
本日ご紹介する「MADURA BLACK」ですが、こちらを醸されたのは大分県は臼杵市の藤居酒造さんになります。
藤居酒造さんといえば、麦焼酎「ふしぎ屋」、芋焼酎「のみちょれ」などを以前にご紹介させていただきました。
特に「ふしぎ屋」はほんのり麦チョコ風味のうまい焼酎で、自分のお気に入り麦焼酎の一つであります。
しかしそれにしても「MADURA BLACK」は、なんともおどろおどろしいラベルですね。
樫樽を抱きしめているのは、”サタン”だそうです。
飲み手を堕落させてしまうほどに、”美味い酒”であることを意味しているようです。
これはもう恐ろしくて飲めません(笑)・・・・とはいかないので飲みます。
ちなみに”MADURA”はスペイン語らしく、”熟成、熟す”という意味のようです。
つまり訳せば「熟成 黒」。
あっ、なんだかぜんぜん怖くないですね(笑)
しかしその名の通り、洞窟甕貯蔵14年熟成品と樫樽貯蔵15年熟成品をスペシャルブレンドして仕上げられています。
う~ん、これまた長期熟成酒ですね。
おまけに樽・甕熟成とはすごい・・・”脱藩黒蝶統の会”の気迫が感じられます。
オーストラリア産のスターリング種という大麦を原料に、麦麹仕込み常圧蒸留で醸され、アルコール度数30度とやや高めに仕上げられた焼酎であります。
それでは、開栓していただいてみましょう。
香りはといいますと、ほんのりと甘く麦というよりはフルーティーな香りです。
では今宵も定番のロックでいただきます。
口に含みますと、ほんのりとした極弱い甘味がまず広がります。
口当たりは長期熟成らしい優しさで円く、アルコール度数の高さを全く感じさせません。
甘味は極弱いながらも粘り強く、やがて独特なコクがフェードインしてきます。
後味は甘味と独特なコクをほんのり残しつつ、わずかに麦の芳ばしさを感じながらスッとキレていきます。
う~ん、実に上品な味わいですねぇ・・・・
全体的にじつに優しい、全く尖ったところを感じない仕上がりとなっています。
この優しさは、10年以上熟成の為せる業、まさに時の魔法と言えるのではないでしょうか。
しかしながらほんのりとした甘さとコクはじっくりと味わえ、最後にスモーキーな麦の芳ばしさをちょっとだけ垣間見ることのできるうまい焼酎だと思います。
ラベルやボトルの雰囲気とはちょっと対称的で、とても優しく繊細な味わいというのが率直な印象です。
気づけばスルスルっと飲んでしまい、すっかり酔いがまわってしまいました。
ふと、ラベルの”サタン”がニヤリと笑った気がします。
その”サタン”も、実は”脱藩黒蝶統の会”の手先なのかもしれませんね・・・・