朝夕とずいぶんと涼しくなってきました。
米焼酎「月夜にこい」です。
豊永酒造さんの焼酎は、これまで「麦汁」シリーズをはじめとする麦焼酎や「自我田」といった米焼酎をご紹介させていただきました。
正直、どの焼酎も試す度にその味わいに毎回唸らされてしまう、豊永酒造さんならではのクオリティの高いものばかりでした。
今では豊永酒造さんの焼酎は必ず2~3本は常備しており、自分にとってお気に入りでもあります。
今回ご紹介する「月夜にこい」は、限定酒になります。
2009年に一度、販売を取り止めされていたようですが、多くの反響があり再販されるようになったとのことです。
樫樽による長期貯蔵の焼酎で、5年以上の貯蔵酒と10以上の貯蔵酒とをブレンドされたものとなっています。
アルコール度数は38度の原酒となっています。
米焼酎の樫樽長期貯蔵酒を試すのは初めてで、しかも原酒ということでとてもワクワクしています。
豊永酒造さんが、この球磨焼酎を一体どのように表現されているのか・・・期待大ですね。
球磨産の米を原料に米麹・白麹、単式蒸留で醸された焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、やや酸味のあるやわらかな甘い香りが漂います。
樫樽で長期熟成した焼酎ならではのよい香りで、本当に米焼酎なのかな?と思ってしまうくらいです。
今宵もロックでいただきましょう。
口に含みますと、まずお米のしっかりとした甘みが口いっぱいに広がります。
口当たりは長期熟成らしい円い円い柔らかさ、白麹の焼酎らしい優しい感じです。
後味はお米の甘とほのかな酸味がじわじわと直線的に粘り強く続き、最後にふわりと樫樽の芳ばしさが鼻に抜けていきます。
あぁ・・・うまいですねぇ~
・・・言葉が出ないほどのうまさです。
アルコール度数は38度ありますが、それを全く感じさせない柔らかさと優しさですね。
これが樫樽で10年以上の時の経過のなせる業なのでしょうね。
お米という素材の持つ特徴を、樽熟成という形で花開かせた豊永酒造さんの業が光るうまい焼酎だと思います。
豊永酒造さんの焼酎は、これまでどちらかと言うとガツンと破壊力のあるインパクトの焼酎のイメージがありました。
「月夜にこい」は、それとは真逆のとても優しい繊細な味わいの焼酎ですね。
柔と剛の使い分けが実に絶妙で、今回も豊永酒造マジックに脱帽です。
豊永酒造さんには、これからも精力的に球磨焼酎を磨き上げていただければと思います。
焼酎ファンとしては、それを味わえる機会こそまさに醍醐味です。