9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。
本日ご紹介するのは、麦焼酎「さくら師王」です。
宮崎県串間市の寿海酒造さんの一品になります。
寿海酒造さんは、1985年に宮崎県の最南端に位置する串間市の100年以上の歴史ある五つの蔵元により発足、県内初の共同組合として誕生したという蔵としては新しいですが、長く培われた技術を持たれている蔵でもあります。
地元産の紅芋を原料とした焼酎造りの先駆者的存在なのだそうです。
さて「さくら師王」の”師王”は、その道の優れたものを表す”師”と最高を表す”王”という言葉からなっています。
寿海酒造さんの「師王」という銘柄名に込めた思いが伝わってきますね。
写真では少しわかりにくいですが、ほのかに琥珀色をしています。
樽熟成の焼酎だからなんですが、寿海酒造さんは樫樽ではなくさくら樽でこの焼酎を熟成されています。
”さくら”を冠するのは、さくら樽熟成だからなのでしょうね。
樽に使用される木が、オークとさくらでどのように味わいが異なるのか、そういったところも楽しみですね。
原料の麦にはオーストラリア産の大麦を使用、麦麹・白麹仕込みの減圧蒸留で醸された焼酎になります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、とてもフルーティで甘くほのかに樽の香りも漂います。
う~ん、良い香りですね。
あたりで鳴く虫の声に耳を傾けながら、今宵もロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まずとてもフルーティな甘さが口いっぱいに広がります。
口当たりは、白麹らしいかつ熟成酒らしい実に優しく円い感じです。
後味は、フルーティな甘さの中に極々ほんのりとドライな味わいが顔をのぞかせながら、甘さが支配的な形で直線的に伸びていきます。
そして最後にしっかりとした樽の香りが、ふわりと鼻を抜けていきます。
最後にスッとキレていくのかと思いきや、樽の香りの余韻がしばらく続きます。
うむむむ、うまいですねぇ・・・
全体的に円くとても優しく、雑味などは全く感じさせないフルーティな味わいの焼酎ではありますが、後味からフェードインしてくる樽の香りが実に絶妙な感じのうまい焼酎であります。
減圧蒸留、白麹仕込みなど酒質をできるだけ穏やかにすることで、樽の香りをしっかりと際立たせることができているのではないかと思いました。
残念ながら自分には、オークとさくらの樽材の違いを感じ分けることは難しかったですが、寿海酒造さんのさくら樽への拘りは見事に表現できているなと感じました。
さくら樽の香りを存分に楽しんで欲しいという寿海酒造さんの思いを、飲み手はしっかりとくみ取ることができるのではないかと思います。
「さくら師王」を味わってみて、樽熟成の焼酎の奥深さをあらためて感じることができた気がします。
まだまだ暑くはありますが、時期的には梨のシーズンということで県内で梨狩りに行ってきました。
左から銘柄は「豊水」、「秋月」、「20世紀」になります。
今年は梨の出来がよいらしく、どの銘柄も甘味十分でとても美味しいですね。