うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

脱藩黒蝶 忠義

今年もあとわずかになりましたね。
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麦焼酎脱藩黒蝶 忠義(だっぱんくろあげは ちゅうぎ)」です。
”脱藩黒蝶統の会”から、定番酒第2号として送りだされた麦焼酎です。
醸されているのは、大分県臼杵市野津町の藤居酒造さんになります。
いわゆるPBということになりますでしょうか。
まず”脱藩黒蝶統の会”ですが、裏ラベルに下記のような説明書きがあります。
「全国の本格焼酎をこよなく愛す厳選された地酒屋酒販店様で構成され、革新的な取り組みにより焼酎文化の啓蒙を行う酒販グループの会であります。
会名称の意味…「Dappan(脱藩)」とは、あらゆる垣根を超え何か新しいビジョン(時代)を成す意志の表れを示し、「黒」は何にも染まらない公平で自由な色と捉え「アゲハ」は優雅で親しみ易く、魅了されることから、本会がそのように成していくことを願い名称としています。」
・・・なにか、並々ならぬ志を感じる会ですね。
次に藤居酒造さんですが、明治5年からの創業で長きにわたり今日まで焼酎を造っておられます。
”風光り水澄む里の酒蔵”を目指して、和醸良酒の心で酒造りに取り組んでおられるようです。
この「脱藩黒蝶 忠義」ですが、特徴の一つは原酒を山中深くの洞窟貯蔵庫で約9年間も熟成されていることにありますでしょうか。
う〜ん、長期熟成されていますね。
9年という時の刻みが、どういう形で花開いているのか楽しみになります。
原料は国産大麦、麦麹・黒麹で全麹仕込み、常圧蒸留で醸され、久保ん谷湧水を用いて造られた焼酎であります。
それでは、開栓してみましょう。
香りはといいますと、やや酸味を帯びた甘酸っぱい中に甘い麦の香りが漂います。
なんとも言えない麦のよい香りですね。
今宵も、定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まずごくほんのりと麦の甘味が広がります。
口当たりは長期熟成らしい優しさで、円やかさがありますね。
そして直後にキリッとドライな味わいが押し寄せます。
後味はドライな風味が支配的ではありますが、ほんのりとした麦の甘さが絶妙に追従してきます。
最後はごくほんのりとスモーキーな麦の芳ばしさが鼻にぬけます。
う〜ん、うまいですね〜。
円やかで優しい口当たり、黒麹らしいキリッとしたドライ風味、絶妙な麦の甘さ、味わいのバランスがうま〜くとれている焼酎だと思います。
個人的には、9年という時の刻みがその味わいをより一層繊細にしているのではと印象を受けました。
準麦チョコ風味ではありますが、麦チョコ風味を好まれる方でも満足いただける味わいだと思います。
”脱藩黒蝶統の会”の志を、そのままズバリ表現されているうまい焼酎だと思います。
一焼酎ファンとして、”脱藩黒蝶統の会”の志をこれからも大切にしていただければと思います。
2017年にご紹介する焼酎は、この焼酎で最後になります。
今年も有難くうまい焼酎で締めくくることができました。
当ブログへコメントを頂いたり、うまい焼酎の情報を下さった方々に大変感謝しています。
ありがとうございました。
来年もボチボチとなるとは思いますが、うまい焼酎をご紹介できればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

古琉球 七年

寒さが日に日に増してきますね。
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泡盛琉球 七年」です。
沖縄県豊見城市の忠孝酒造さんの一品です。
忠孝酒造さんは昭和24年からの創業で、比較的に新しい酒造さんですね。
蔵は那覇空港からほど近い所にあるようです。
琉球」シリーズは、今回ご紹介する「7年」の他に「3年」、「12年」とあるようです。
今回の「琉球 7年」は、知人が沖縄へ家族旅行へ行かれた際のお土産としていただきました。
焼酎好きの自分としては、ありがたいお土産です。
泡盛はこれまであまり試したことはありませんが、泡盛の7年ものの古酒ということでとても楽しみですね。
タイ産米の米麹仕込み、アルコール度数は25度の泡盛であります。
栓を開けますと、泡盛らしいお米の甘く芳ばしい香りがほんのりと漂います。
今宵もロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、お米の甘味がおだやかに広がります。
七年ものだけあった、とても円やかで穏やかな口あたりですね。
その後に泡盛らしいお米の芳ばしさが、沸き上がるようにフェードインしてきます。
後味はほんのりと甘味をのこしつつ、ややドライにキレますね。
そしてお米の芳ばしさがゆらりと鼻にぬけます。
ほ〜、うまいですね〜
古酒であるからとアルコール度数が25度だからでしょうか、全体的に円やかで柔らかい味わいとなっています。
こうして泡盛を味わっていますと、豆腐ようや島ラッキョウが恋しくなりますね〜
豆腐ようをチビチビと食べながら、泡盛をいただくと実にうまいんですよね。
ともあれなかなかうまい泡盛なので、お土産に持ってきてくれた知人にはとても感謝です。
久しぶりに泡盛を楽しみましたが、なかなか泡盛もうまいですね。
泡盛の世界も奥が深そうですが、ボチボチとその世界に足を踏み入れてみようかなと思いました。

牟禮鶴 黄鐘

朝夕少しずつ涼しくなってきました。
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麦焼酎牟禮鶴 黄鐘」です。
大分県豊後大野市朝地町の牟礼鶴酒造さんの一品です。
牟礼鶴酒造さんは、明治37年の創業で今日まで長きにわたり営まれておられます。
創業当初は清酒牟禮鶴」を造られていたようですが、昭和40年代から焼酎造りも始められたとのことです。
久住山、祖母山、阿蘇山の豊かな自然に囲まれた素晴らしい環境で、家族で蔵を営まれておられます。
そんな小さな焼酎蔵の麦焼酎牟禮鶴 黄鐘」は、五代目の若き杜氏健太郎氏により平成20年に誕生したとのことです。
比較的新しい焼酎ですが、牟礼鶴酒造さんが創業当時から培ってこられた清酒醸造技術を、若き杜氏である森氏が受け継ぎ技術の粋を注ぎ込まれて完成されています。
牟禮鶴 黄鐘」には、今回ご紹介する常圧蒸留品の他に減圧蒸留品もあります。
この麦焼酎を知るきっかけとなったのは、以前にブログにコメント下さったwogeyさんのご紹介によるものです。
wogeyさん、ありがとうございます。
どんな味わいなのか、とても楽しみですね。
二条大麦を原料に麦麹仕込み、常圧蒸留で醸された焼酎であります。

栓を開けますと、それほど強い麦の主張ではなく優しい甘い香りが漂います。
それでは今宵も定番のロックでいただきます。
口に含みますと、麦のほんのりとした甘味がまず広がります。
口あたりは、なんとも優しいですね〜
口のなかに広がった甘味はやがてフェイドアウトしながら、かわりにほんのりとドライな風味が訪れます。
後味はほのかな甘味の余韻を残しつつ、ややドライにキレていきます。
そして最後にふわりと、独特な麦の風味が鼻にゆらゆらと抜けていきます。
おぉ、うまいですね〜
香り、口あたり、後味といい全体的に実に優しい造りの麦焼酎であります。
しかしながら心地よい麦の余韻と麦の甘味は優しいながらも粘り強く、最後の最後まで麦の旨味を楽しませてくれますね。
優しい味わいでありながら、とても深みのあるうまい焼酎であります。
ガツンと力強い響きの麦焼酎ではありませんが、麦チョコ風味を好まれる方には気に入っていただけると思います。
裏ラベルには、この焼酎の志である
一口飲んで  優しさを感じ
二口飲んで  笑顔にあふれ
三口飲んで  麦に包まれる
と記されています。
まさに志にドンピシャな焼酎ですね!
これまで色々な麦焼酎を試してきましたが、まだまだ自分の知らないうまい麦焼酎がありますね。
麦焼酎好きの自分には、またうまい麦焼酎探しの旅にに灯がともるよいきっかけをいただきました。
wogeyさんにとても感謝です、ありがとうございます。
牟礼鶴酒造さんの若き五代目杜氏にも、これからも精力的に焼酎造りに取り組んでいただきますようエールを送りたいと思います。

帰山

お盆休みもあっという間ですね。
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麦焼酎帰山」です。
長野県は佐久市の千曲錦酒造さんの一品です。
当ブログで初めての蕎麦焼酎のご紹介となりますね。
千曲錦酒造さんは、天和元年(1681年)の創業で今日まで長きにわたり蔵を営まれておられます。
元々は清酒を造られている蔵のようですが、焼酎造りも手掛けられて蕎麦、米、麦焼酎など最近では約350石ほど造っておられるようです。
造られておられる焼酎の中にクマ笹を原料にした焼酎もあるようで、とてもユニークですね。
ラベルの”帰山”の名前の由来は、「山へ帰る」「故郷へ帰る」「酒造りの原点へ帰る」の意味なんだそうです。
蔵と酒造りの本質を意識されて造られたのでしょうね。
今回ご紹介するアルコール度数25度の他に、「帰山」シリーズは35度の樫樽熟成のものや三段仕込みのものがあるようです。
水は、旅と酒を愛した放浪の俳人種田山頭火」が句をしたためた名水が使われています。
麹は、清酒の蔵ならではの米麹・黄麹となっております。
蕎麦と米麹のみのもろみを減圧蒸留で醸された焼酎であります。

栓を開けますと、独特な甘い香りがしっかりと漂います。
実は蕎麦焼酎を試すのはこれが初めてでして、この香りが蕎麦の香りなのかな?といった感じです。

それでは本日も、定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、しっかりとした甘味がまず口いっぱいに広がります。
口当たりは優しい感じです。
そして開栓時の香りと同じあの独特な風味が訪れます。
後味はほんのりとした甘味に独特な風味の余韻を残しながら、やがて鼻にゆらゆらと抜けていきます。
むむむ・・・うまいですねぇ〜
減圧蒸留ではありますが、その味わいは骨がしっかりとしていますね。
正直”蕎麦”とう素材のイメージからは、”ざるそば”の蕎麦の味わいしか湧かないのですが、こんなに風味と甘味が豊なのかという驚きを感じました。
今までの”蕎麦”の概念を覆された感覚です。
時に焼酎とは、素材の味わいを直接食すのとは別次元に表現することができる手法なのでは?と思ってしまいますね。
焼酎の奥深き世界に、また一歩深く足を踏み入れたようです。
実に面白いですね!
個人的にはこの「帰山」、優しい味わいでありながら”蕎麦”という素材をしっかり味わえるうまい焼酎だと思います。
今回をきっかけに、うまい蕎麦焼酎探しもしてみようかなと思います。

コルン

猛暑日が続きますね。

コルン」です。
ドイツで造られている蒸留酒である、シュナップスの一種です。
先日、仕事でドイツを訪れる機会がありまして、現地で入手したものであります。
コルン」は小麦やライ麦を原料に造られたシュナップスですが、その他にジャガイモやサクランボといった原料から作られるものもあるようです。
ラベルには、麦粒のイラストが描かれていますね。
ちなみにラベルの文字の”das”は英語でいう”the”ですから、”ザ コルン”というところでしょうか・・・それにしてもシンプルなラベルですね。

瓶の横に”DOPPEL”とありますが、アルコール度数が37.5度を超えると”DOPPEL KORN”と呼ばれるようです。
この「コルン」は、アルコール度数は38度となっております。
今回滞在したドイツの都市は、ライプツィヒという所です。
ドイツのお酒といえば、やはりワインやビールになるのでしょうね。
ワインやビールを販売するお店はすぐ見つかったのですが、蒸留酒を販売するお店がなかなか見つからず、ライプツィヒの街をぐるぐるとずいぶん歩きまわりました。
ようやく見つけたお店の店員さんは、イケメンさんでとても親切に接客してくれました。
コルン」の他にジャガイモのシュナップスやパンのシュナップスも紹介してくれたり、どれにするか迷っていると試飲も勧めてくれました。
印象的だったのはパンのシュナップスで、香りも風味もまさにパン!でした。
残念ながら「コルン」の試飲はできなかったのですが、ここは麦好き、迷った末に「コルン」をチョイスです。
同じ銘柄でアルコール度数が40度もありましたが、結構いいお値段がしたので、今回は38度ということにしました。
ドイツ版麦焼酎!ということで、どんな味なのか楽しみですね!


それでは、開栓してみましょう。
と、コルク栓なのでいつものように簡単に開栓できません(笑)
コルク抜きでようやく開栓、香りはといいますと、かなり控えめな甘い香りがします。
樫樽?の香りもあるような気もします。
わずかにコハク色なので、その可能性もあるかもです。
それでは定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、極ほんのりとした甘味が広がります。
口あたりはわりと優しく、アルコール度数の高さを感じさせないですね。
後味はなんともいえない独特な風味とほんのりと酸味を残しながら、ややドライにすっとキレていきます。
実にスッキリとした味わいですね〜
全体的に風味は抑え気味で、かなりスッキリとした味わいです。
これがゲルマンの民により、長きにわたる歴史のなかで培われてきた蒸留酒なのでしょうね。


実はこの「コルン」、持って帰るときにうっかり手荷物に入れてしまい、手荷物検査で引っかかって空港であやうく没収されそうになりました。
処分される寸前に常駐の警察官が助けてくれて、宅配を提案してくれました。
その警察官は宅配取り扱いのお店まで案内してくれた上に、送り状の書き方まで説明してくれて、涙がでるほど嬉しかったです。
もしあの親切な警察官がいてくれなかったら、今こうしてこの「コルン」を味わうこともできなかったかもしれません。
親切なドイツの警察官に、そしてドイツの人々の心意気に今宵は乾杯です。


滞在したライプツィヒを少しご紹介。

こちらは街並みです。



レストラン。この時期は21時過ぎまで明るいので、みなさんゆっくりと食事されていました。


バッハ所縁のトーマス教会。中にはバッハのお墓があります。


コルン」を購入したお店。


ライプツィヒは”音楽の街”でもあるので、このようなストリートパフォーマンスがよく見られます。


歴史あるレストラン、アウアーバッハスケラー


豚カツのお化けのようなのは、ドイツ料理の一つシュニッツェル。牛カツです。


中央駅のDB(ドイツ鉄道)。ドレスデンまで足をのばしてみました。



列車からの車窓。溝口肇さんの「世界の車窓から」がヘビーローテーションしてました(笑)


ライプツィヒはとても素敵な街で、また訪れてみたいなと思いました。