少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。
芋焼酎「茶房 大海庵」です。
鹿児島県は鹿屋市白崎町の大海酒造さんの一品です。
大海酒造さんは、創業は1975年となっています。
比較的あたらしい蔵ではありますが、1967年に地域の9つの蔵が協業して設立されていて、各蔵で長い時間培われてきた知恵や技術が今も伝承されているそうです。
大海酒造さんの焼酎といえば、芋焼酎「さつま大海」をはじめ「海」シリーズや「くじらのボトル」シリーズなどがよく知られていると思います。
当ブログでは、かなり以前に麦焼酎「麦香大海」をご紹介させていただきました。
さて今回ご紹介する「茶房 大海庵」ですが、しぶ~い深いグリーンのラベルと”茶房”の文字から、緑茶を彷彿とさせる感じになっています。
まさにその通りで、二次仕込みに緑茶が使用されている芋焼酎です。
使用されている緑茶は、志布志市有明町の「和香園」で有機栽培されたものだそうです。
使用するサツマイモも、すべて大隅半島の契約農家さんの栽培されたもののようで、原料にもとてもこだわっておられます。
もともとは2017年に「大海お茶娘」として発売され、「茶房 大海庵」はそのリニューアルとなっているようです。
ここで緑茶を使用された芋焼酎といえば、以前に同じ鹿児島県の知覧醸造さんの芋焼酎「知覧 Tea酎」をご紹介させていただきました。
緑茶の香り甘みほろ苦さと芋の甘みが絶妙にマッチした、実にうまい焼酎でした。
大海酒造さんは、緑茶と芋を「茶房 大海庵」で一体どのように表現されているのか・・・
もうワクワクがとまりません。
原料のサツマイモには紅はるかが使用され、白麹・米麹(国産米)と有機茶葉仕込み、常圧蒸留で醸された芋焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと・・・しっかりとした緑茶の甘さと芋のフルーティーな甘さがコラボしてふわりと漂います。
なかなかよい香りです。
すっかり涼しくなってきた今宵も、ロックでいただきます。
口に含みますと、まずとても優しい甘みが広がります。
緑茶の甘さのような、芋の甘さのような、なんとも言えない感じです。
口当たりは、白麹らしい優しく円いですね。
そして広がる甘みの中、すぐに緑茶のほろ苦さがフェードインしてきます。
後味は優しい甘さとほろ苦さのコラボ、ややほろ苦さが支配的な感じで直線的に伸びていきます。
そして最後は緑茶の風味がふわりと鼻を抜け、スッとキレていきます。
おぉぉぉぉ!うまいですねぇ~
全体的な味わいは、白麹らしいとても円く優しい味わいにまとめられています。
芋焼酎ではありますが、緑茶の甘みとほろ苦さをうまく融合させて、芋焼酎というカテゴリーから別次元に昇華しているうまい焼酎だと思います。
「茶房 大海庵」を試してみて、焼酎って本当にすごいなと改めて実感です。
”緑茶”と”芋”をこんな形で融合し結晶化できるなんて、素晴らしい技術だなと思います。
大海酒造さんの業に脱帽ですね。
「茶房 大海庵」を常備しておきたいなと思うとともに、これから大海酒造さんの焼酎をいろいろ試してみたいなと思います。
最後に、大海酒造さんの「茶房 大海庵」と知覧醸造さんの「知覧 Tea酎」、それぞれの味わいの表現がどう異なるのか飲み比べてみました。
どちらも見事に緑茶と芋のそれぞれの旨味を融合されていますね。
それぞれ白麹の焼酎で、口当たりはとても優しく円くすっきりとしています。
どちらかといえば、「茶房 大海庵」の方が甘みがしっかりしていて「知覧 Tea酎」の方はやや辛口な印象でしょうか。
このへんは飲み手によって好みが分かれると思いますが、自分はどちらも味わう価値が
十分にあると思います。