うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

牟禮鶴 黄鐘

朝夕少しずつ涼しくなってきました。
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麦焼酎牟禮鶴 黄鐘」です。
大分県豊後大野市朝地町の牟礼鶴酒造さんの一品です。
牟礼鶴酒造さんは、明治37年の創業で今日まで長きにわたり営まれておられます。
創業当初は清酒牟禮鶴」を造られていたようですが、昭和40年代から焼酎造りも始められたとのことです。
久住山、祖母山、阿蘇山の豊かな自然に囲まれた素晴らしい環境で、家族で蔵を営まれておられます。
そんな小さな焼酎蔵の麦焼酎牟禮鶴 黄鐘」は、五代目の若き杜氏健太郎氏により平成20年に誕生したとのことです。
比較的新しい焼酎ですが、牟礼鶴酒造さんが創業当時から培ってこられた清酒醸造技術を、若き杜氏である森氏が受け継ぎ技術の粋を注ぎ込まれて完成されています。
牟禮鶴 黄鐘」には、今回ご紹介する常圧蒸留品の他に減圧蒸留品もあります。
この麦焼酎を知るきっかけとなったのは、以前にブログにコメント下さったwogeyさんのご紹介によるものです。
wogeyさん、ありがとうございます。
どんな味わいなのか、とても楽しみですね。
二条大麦を原料に麦麹仕込み、常圧蒸留で醸された焼酎であります。

栓を開けますと、それほど強い麦の主張ではなく優しい甘い香りが漂います。
それでは今宵も定番のロックでいただきます。
口に含みますと、麦のほんのりとした甘味がまず広がります。
口あたりは、なんとも優しいですね〜
口のなかに広がった甘味はやがてフェイドアウトしながら、かわりにほんのりとドライな風味が訪れます。
後味はほのかな甘味の余韻を残しつつ、ややドライにキレていきます。
そして最後にふわりと、独特な麦の風味が鼻にゆらゆらと抜けていきます。
おぉ、うまいですね〜
香り、口あたり、後味といい全体的に実に優しい造りの麦焼酎であります。
しかしながら心地よい麦の余韻と麦の甘味は優しいながらも粘り強く、最後の最後まで麦の旨味を楽しませてくれますね。
優しい味わいでありながら、とても深みのあるうまい焼酎であります。
ガツンと力強い響きの麦焼酎ではありませんが、麦チョコ風味を好まれる方には気に入っていただけると思います。
裏ラベルには、この焼酎の志である
一口飲んで  優しさを感じ
二口飲んで  笑顔にあふれ
三口飲んで  麦に包まれる
と記されています。
まさに志にドンピシャな焼酎ですね!
これまで色々な麦焼酎を試してきましたが、まだまだ自分の知らないうまい麦焼酎がありますね。
麦焼酎好きの自分には、またうまい麦焼酎探しの旅にに灯がともるよいきっかけをいただきました。
wogeyさんにとても感謝です、ありがとうございます。
牟礼鶴酒造さんの若き五代目杜氏にも、これからも精力的に焼酎造りに取り組んでいただきますようエールを送りたいと思います。

帰山

お盆休みもあっという間ですね。
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麦焼酎帰山」です。
長野県は佐久市の千曲錦酒造さんの一品です。
当ブログで初めての蕎麦焼酎のご紹介となりますね。
千曲錦酒造さんは、天和元年(1681年)の創業で今日まで長きにわたり蔵を営まれておられます。
元々は清酒を造られている蔵のようですが、焼酎造りも手掛けられて蕎麦、米、麦焼酎など最近では約350石ほど造っておられるようです。
造られておられる焼酎の中にクマ笹を原料にした焼酎もあるようで、とてもユニークですね。
ラベルの”帰山”の名前の由来は、「山へ帰る」「故郷へ帰る」「酒造りの原点へ帰る」の意味なんだそうです。
蔵と酒造りの本質を意識されて造られたのでしょうね。
今回ご紹介するアルコール度数25度の他に、「帰山」シリーズは35度の樫樽熟成のものや三段仕込みのものがあるようです。
水は、旅と酒を愛した放浪の俳人種田山頭火」が句をしたためた名水が使われています。
麹は、清酒の蔵ならではの米麹・黄麹となっております。
蕎麦と米麹のみのもろみを減圧蒸留で醸された焼酎であります。

栓を開けますと、独特な甘い香りがしっかりと漂います。
実は蕎麦焼酎を試すのはこれが初めてでして、この香りが蕎麦の香りなのかな?といった感じです。

それでは本日も、定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、しっかりとした甘味がまず口いっぱいに広がります。
口当たりは優しい感じです。
そして開栓時の香りと同じあの独特な風味が訪れます。
後味はほんのりとした甘味に独特な風味の余韻を残しながら、やがて鼻にゆらゆらと抜けていきます。
むむむ・・・うまいですねぇ〜
減圧蒸留ではありますが、その味わいは骨がしっかりとしていますね。
正直”蕎麦”とう素材のイメージからは、”ざるそば”の蕎麦の味わいしか湧かないのですが、こんなに風味と甘味が豊なのかという驚きを感じました。
今までの”蕎麦”の概念を覆された感覚です。
時に焼酎とは、素材の味わいを直接食すのとは別次元に表現することができる手法なのでは?と思ってしまいますね。
焼酎の奥深き世界に、また一歩深く足を踏み入れたようです。
実に面白いですね!
個人的にはこの「帰山」、優しい味わいでありながら”蕎麦”という素材をしっかり味わえるうまい焼酎だと思います。
今回をきっかけに、うまい蕎麦焼酎探しもしてみようかなと思います。

コルン

猛暑日が続きますね。

コルン」です。
ドイツで造られている蒸留酒である、シュナップスの一種です。
先日、仕事でドイツを訪れる機会がありまして、現地で入手したものであります。
コルン」は小麦やライ麦を原料に造られたシュナップスですが、その他にジャガイモやサクランボといった原料から作られるものもあるようです。
ラベルには、麦粒のイラストが描かれていますね。
ちなみにラベルの文字の”das”は英語でいう”the”ですから、”ザ コルン”というところでしょうか・・・それにしてもシンプルなラベルですね。

瓶の横に”DOPPEL”とありますが、アルコール度数が37.5度を超えると”DOPPEL KORN”と呼ばれるようです。
この「コルン」は、アルコール度数は38度となっております。
今回滞在したドイツの都市は、ライプツィヒという所です。
ドイツのお酒といえば、やはりワインやビールになるのでしょうね。
ワインやビールを販売するお店はすぐ見つかったのですが、蒸留酒を販売するお店がなかなか見つからず、ライプツィヒの街をぐるぐるとずいぶん歩きまわりました。
ようやく見つけたお店の店員さんは、イケメンさんでとても親切に接客してくれました。
コルン」の他にジャガイモのシュナップスやパンのシュナップスも紹介してくれたり、どれにするか迷っていると試飲も勧めてくれました。
印象的だったのはパンのシュナップスで、香りも風味もまさにパン!でした。
残念ながら「コルン」の試飲はできなかったのですが、ここは麦好き、迷った末に「コルン」をチョイスです。
同じ銘柄でアルコール度数が40度もありましたが、結構いいお値段がしたので、今回は38度ということにしました。
ドイツ版麦焼酎!ということで、どんな味なのか楽しみですね!


それでは、開栓してみましょう。
と、コルク栓なのでいつものように簡単に開栓できません(笑)
コルク抜きでようやく開栓、香りはといいますと、かなり控えめな甘い香りがします。
樫樽?の香りもあるような気もします。
わずかにコハク色なので、その可能性もあるかもです。
それでは定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、極ほんのりとした甘味が広がります。
口あたりはわりと優しく、アルコール度数の高さを感じさせないですね。
後味はなんともいえない独特な風味とほんのりと酸味を残しながら、ややドライにすっとキレていきます。
実にスッキリとした味わいですね〜
全体的に風味は抑え気味で、かなりスッキリとした味わいです。
これがゲルマンの民により、長きにわたる歴史のなかで培われてきた蒸留酒なのでしょうね。


実はこの「コルン」、持って帰るときにうっかり手荷物に入れてしまい、手荷物検査で引っかかって空港であやうく没収されそうになりました。
処分される寸前に常駐の警察官が助けてくれて、宅配を提案してくれました。
その警察官は宅配取り扱いのお店まで案内してくれた上に、送り状の書き方まで説明してくれて、涙がでるほど嬉しかったです。
もしあの親切な警察官がいてくれなかったら、今こうしてこの「コルン」を味わうこともできなかったかもしれません。
親切なドイツの警察官に、そしてドイツの人々の心意気に今宵は乾杯です。


滞在したライプツィヒを少しご紹介。

こちらは街並みです。



レストラン。この時期は21時過ぎまで明るいので、みなさんゆっくりと食事されていました。


バッハ所縁のトーマス教会。中にはバッハのお墓があります。


コルン」を購入したお店。


ライプツィヒは”音楽の街”でもあるので、このようなストリートパフォーマンスがよく見られます。


歴史あるレストラン、アウアーバッハスケラー


豚カツのお化けのようなのは、ドイツ料理の一つシュニッツェル。牛カツです。


中央駅のDB(ドイツ鉄道)。ドレスデンまで足をのばしてみました。



列車からの車窓。溝口肇さんの「世界の車窓から」がヘビーローテーションしてました(笑)


ライプツィヒはとても素敵な街で、また訪れてみたいなと思いました。

豊永蔵

梅雨入りしたものの・・・カラッとしてますね。
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有機麦焼酎豊永蔵」です。
熊本県球磨郡湯前町の豊永酒造さんの一品です。
豊永酒造さんの焼酎は、麦焼酎では「麦汁」シリーズ、米焼酎では「超にごり」を以前にご紹介させていただきました。
麦汁」も「超にごり」も無濾過仕上げで白濁していて、どちらも実に芳ばしい味わいのうまい焼酎でした。
豊永蔵」は見た感じは透明なので、こちらは無濾過仕上げでないのかもしれませんね。
豊永酒造さんといえば、原料のオーガニック栽培にものすごいこだわりがありますね。
この「豊永蔵」も、球磨地方の契約農家さんにより有機栽培されたはだか麦が100%使用されています。
国産オーガニック麦を使用した麦焼酎は、国内初のようですね。
”オーガニック”といえば、野菜にしても果物にしても体に良いといイメージがありますね。
豊永酒造さんのオーガニックへのこだわりは、健康もさることながら”この球磨の土地の素晴らしさを伝えたい”という思いからなんだそうです。
球磨の大地の力を焼酎という形で結晶化されているんですね。
なんとも壮大な感じがします。
アルコール度数は25度と思っていたんですが、よく見ると35度と書いてあります。
球磨のオーガニックはだか麦を原料にした、麦麹・白麹で割り水は湯前地下天然粋の麦焼酎であります。
栓を開けますと、ほのかな麦の甘い香りとともに麦麦しい芳ばしい香りが沸き上がってきます。
それでは定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まずほんのりとした麦の甘味がひろがります。
そのあとすぐにドライビターな風味が、押し寄せるように広がります。
後味はほんのりとした甘味と辛さが絶妙な余韻を残しつつ、わずかな酸味を含ませながらロースト麦のほろ苦さが心地よく続きます。
最後にロースト麦の芳ばしさが、ゆっくり鼻に抜けていきます。
う〜ん、うまいですねぇ。
口当たりは、アルコール度数を感じさせないくらいの優しい感じです。
余韻がとても長いので、ロースト麦の芳ばしさを飲み終わったあともいつまでも楽しめるうまい焼酎であります。
雑味が「麦汁」ほど無いので、雑味はあまり好まないけど麦チョコ風味はふんだんに味わいたいという方にはオススメの麦焼酎であります。
飲み応えも十分ありますので、ガツンとくるものを好まれる方も大丈夫だと思います。
豊永酒造さんの焼酎は、個人的にはどれを飲んでもうまいと思います。
飲むほどに球磨の大地のパワーをいただいている!そんな気持ちになれますね。
豊永酒造さんには、これからもぜひ全国の焼酎ファンに球磨の大地の力を送り続けていただきたいなと思います。

まんこい

ゴールデンウィークが始まりましたね。
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黒糖焼酎まんこい」です。
鹿児島県は奄美市の弥生焼酎醸造所さんの一品です。
弥生焼酎醸造所さんは、大正11年から操業されておられます。
当初は泡盛を造っておられたそうですが、昭和に入り黒糖焼酎を造り始められたそうです。
蔵の名前の由来は、3月に操業を始められたことで”弥生”となったそうです。
銘柄の”まんこい”とは、招き入れるという意味で、千客万来を表す言葉として使われるそうです。
銘柄にはこの「まんこい」シリーズの他に、蔵の名を冠する「弥生」シリーズや「太古の黒うさぎ」、「碧い海」などがあります。
実は「太古の黒うさぎ」を以前に居酒屋さんで一杯だけ飲んだことがあります。
どんな味だったかは・・・残念ながらよく覚えていません。
そこで今回はこの「まんこい」を存分に味わってみたいと思います。
まんこい」の麹米にはタイ米が使用されているようで、タイ米は蒸し上りが均一で麹の状態がよいとのことです。
甕仕込みで常圧蒸留で醸され、樫樽貯蔵の黒糖焼酎であります。
栓を開けますと、黒糖の甘い香りの中にほんのりとラム酒を思わせる香りが漂います。
お〜、よい香りですね〜
花粉の時期も終わり、ようやく鼻も復活して参りました。
それでは定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まず黒糖のしっかりとした甘味が広がります。
口当たりはまずまずの円やかさです。
後味は黒糖の甘味の余韻を残しながら、心地よくドライにキレていきます。
最後にふわりと鼻に抜けるのは、樫樽の風味でしょうか。
ほほぅ、うまいですねぇ〜
あくまで個人的な感想ですが、これは黒糖焼酎というよりはまさにラム酒ですね!
渋みや苦みといった雑味はあまりなく、全体的にすっきりとした味わいに仕上がっています。
それにしてもラム酒のような風味が、とても心地良いですね〜。
今回樫樽貯蔵の黒糖焼酎を初めて試しましたが、とても気に入りました。
常備しているお気に入りの「龍宮」とはまた別次元の味わいで、「まんこい」も常備して楽しんでみたいなと思います。
機会あれば「弥生」シリーズもぜひ試してみたいですね。