うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

静寂の時

ゴールデンウィークまっただ中ですね。
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とうもろこし焼酎「静寂の時」です。
こちらも蕎麦焼酎珠玉」に続く、高千穂酒造さんの一品になります。
この「静寂の時」の特徴は、なんといっても原料にとうもろこしが使用されていることですね。
これまで、麦、芋、米、黒糖、蕎麦を原料とした焼酎をご紹介してきましたが、とうもろこしを原料とする焼酎は初めてになります。
とうもろこしを主原料とした蒸留酒として有名なのは、やはりバーボンウィスキーになりますでしょうか。
自分もかつては、I.W.ハーパーあたりを好んで飲んでいた時期もありました。
バーボンウィスキーの原料にはとうもろこしの他に麦が使用されており、アルコール度数も40度以上となっているようですが、「静寂の時」はとうもろこしのみを原料とされており、アルコール度数は25度に調整されています。
ただし熟成はバーボンウィスキーと同じく、樫樽でされています。
薄っすらと琥珀色なのは、樫樽によるものなのでしょうね。
やはり「静寂の時」は、バーボンウィスキーとは異なる生粋のとうもろこし焼酎ということになりますでしょうか。
ともあれとうもろこしという原料を、高千穂酒造さんが焼酎としてどう表現されているかがとても楽しみであります。
とうもろこし原料にとうもろこし麹・白麹の減圧蒸留で醸され、原酒を3年間樫樽で熟成し、南阿蘇の白川天然水仕上げの焼酎であります。
栓を開けますと、ややバーボンウィスキーにも似たなんとも言えない甘い香りがします。
このへんは、とうもろこし由来なんでしょうね。
それでは今宵も定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、やや酸味をおびたごくほんのりとしたフルーティーな甘味が口に広がります。
口当たりは、熟成酒らしい円みがあり優しいですね。
その後ドライビタターな味わいがゆっくりフェードインしてきます。
後味はドライビターな味わいが支配的な中、ほんのりとした甘味の余韻を残しながらスッとキレていきます。
ふむふむ、なかなかうまいです。
全体的には減圧蒸留らしいクセのないスッキリとした味わいで、長期熟成らしい円く優しい味わいとなっています。
しかしながら、とうもろこし由来と思われるコクがしっかりと味わえるうまい焼酎であります。
とうもろこしのみを原料とされていることで、しっかりとしたコクを育むことができているのではないかと思います。
このへんは、もしかすると高千穂酒造さんのねらいなのかもしれませんね。
時に”焼酎”とは、原料の持つ旨味を食すのとは違う別次元の表現できるツールのような気がします。
今回初めてとうもろこし焼酎を試してみて、焼酎は本当に面白いなとあらためて思うことができました。

珠玉

あっという間に3月ですね。
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麦焼酎珠玉」です。
宮崎県は西臼杵郡高千穂町の高千穂酒造さんの一品です。
高千穂酒造さんの焼酎は、これまで麦焼酎高千穂」(白ラベル)と「高千穂 零」をご紹介させていただきました。
どちらも黒麹らしいどっしりとした、ビターな準麦チョコ風味な麦焼酎でした。
今回ご紹介するのは、麦焼酎ではなく蕎麦焼酎になります。
麦焼酎を試すのは、これが2銘柄目になります。
以前に初めて試した千曲錦酒造さんの蕎麦焼酎帰山」がなかなかうまかったので、今回はそれに味をしめてまたまた蕎麦焼酎をチョイスしてみました。
帰山」は日本酒蔵ならではの黄麹・米麹で減圧蒸留で醸されていましたが、「珠玉」は白麹・蕎麦麹で常圧蒸留で醸されています。
100%蕎麦を原料とされているのと、麹、蒸留の違いがどう味わいに表現されているのかとっても楽しみであります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと・・・・香りはといいますと・・・(汗)
今年も例年通り、花粉に鼻がやられております(ToT)
しつこくクンクン嗅ぎ続けますと、ほんのり蕎麦の甘いかおりがしております。
本当はもっと蕎麦が香るのかもしれません。
では気を取り直しまして、今宵も定番のロックでいただいてみます。
口に含みますと、まずはしっかりとした蕎麦の甘味が広がります。
そして甘味はスッとキレて、一気にキリっとしたドライな風味が押し寄せます。
後味は辛口な味わいが支配しつつ、蕎麦独特の風味が鼻にぬけます。
うむむむ、うまいですね〜
全体的には、やや辛口の味わいでまとまっている感じです。
蕎麦麹のなせる業なのでしょうかね〜
最初に訪れるしっかりとした蕎麦の甘味と、直後に訪れるキリっとしたドライ風味のギャップが印象的なうまい焼酎であります。
氷の溶けが進むとドライな風味は若干抑えられるので、ひょっとすると湯割りにするとまた別の味わいが楽しめるのでは?と思います。
帰山」とはやはり異なる味わいで、蕎麦風味は常圧蒸留の「珠玉」の方が力強く感じます。
優しさの「帰山」、荒々しさの「珠玉」といったところでしょうか。
好みは飲み手によって分かれるのではないかと思います。
麦焼酎もなかなか面白いですね。
また機会があれば、新たな銘柄を試してみたいなと思います。
さて、先月の事になりますがバレンタインで妻からこのようなものを頂きました。


芋焼酎チョコレート!
芋焼酎富乃宝山」でお馴染みの西酒造さんとシルスマリアさんのコラボレートの一品です。
生チョコレートなんですが、面白いチョコレートがあるんですね。
焼酎好きとしましては、実に有難いです。
美味しく頂きました。
そんな妻のチョイスにとても感謝です。
ありがとう!

桜明日香 パストラーレⅡ ドゥーエ

厳しい寒さが続きますね。
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2018年にご紹介する初めての焼酎になります。
麦焼酎桜明日香 パストラーレⅡ ドゥーエ」です。
福岡県は久留米市田主丸町の紅乙女酒造さんの一品です。
紅乙女酒造さんといえば、やはり胡麻焼酎でしょうか。
以前に胡麻焼酎「黒施些美」をサンプルではありますが、ご紹介させていただきました。
黒施些美」は、まさに胡麻を食していると錯覚するような胡麻風味豊かなうまい焼酎でした。
そして麦焼酎は同じくサンプルではありますが、「桜明日香 シルバートップ」をご紹介させていただきました。
紅乙女酒造さんの麦焼酎桜明日香」シリーズは、海外を意識されているのでラベルの雰囲気が洋酒の雰囲気を醸し出していますね。
この「パストラーレ」もなかなかシックな感じで、文字は英語で書かれています。
さて今回ご紹介するのは、「」となっています。
パストラーレⅠ」は6年熟成の麦焼酎で、「パストラーレⅡ」はその後継酒となるようです。
そして驚くことに、「パストラーレⅡ」は1986年に醸され長期熟成された原酒を加水して25度に調整されたものとか!
酒屋さんの説明書きに”長期熟成30年”とあったのを、思わず2度見してしまいました。
昨年末にご紹介した「脱藩黒蝶 忠義」は9年熟成で、すごく長期だなぁと思っていましたが、30年熟成とはすごいですね!
しかもお値段は、英世が3人強でした。
原酒ではないものの、30年熟成酒でありながら見事なコストパフォーマンスであります。
30年という悠久の時の刻みが、この麦焼酎にどう表現されているのかとても楽しみですね。
米麹・白麹仕込みで常圧蒸留で醸され、長期熟成の麦焼酎であります。
栓を開けますと、麦?という感じのほんのりとした甘い香りです。
それでは、今年も定番のロックでいただいてまいりましょう。
口含みますと、ほんのりとした麦の甘味が広がります。
長期熟成らしい実に円やかで優しい口あたりですね。
口あたりがあまりに優しすぎて、スルスルと喉を通り越してしまいます。
やがてほんのりとした甘味の中に、ほんのりとドライな風味が広がって直線的にコラボしていきます。
後味はほんのりとした麦の芳ばしさを残しながら、すっとキレる感じです。
う〜ん、うまいですねぇ〜
いや実に円やか、実に優しい・・・
角という角をすべて取り去られているような感覚がします。
ですが、決して飲み応えがないというわけではありません。
麦の優しい甘味や、後味のほんのりとした麦の芳ばしさは飲み手を十分に楽しませてくれると思います。
表現が難しいですが、飲んで癒される”癒し系焼酎”とでも言いましょうか。
ふと気が付くと、心地よく酔えている・・・そんな感じです。
四半世紀以上の長い長い時が、包み込むように優しく癒してくれるうまい焼酎だと思います。
いわゆる麦チョコ風味の麦焼酎ではありませんが、麦チョコ風味を好まれる方にもぜひ試していただきたいと思う麦焼酎であります。
紅乙女酒造さんには、焼酎の奥深い世界をまた一つ見せていただいたような気がします。
2018年の最初にふさわしいうまい焼酎にめぐり逢うことができました。
今年一年、どんなうまい焼酎に出逢えるのかまた楽しみです。
更新はボチボチとなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

脱藩黒蝶 忠義

今年もあとわずかになりましたね。
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麦焼酎脱藩黒蝶 忠義(だっぱんくろあげは ちゅうぎ)」です。
”脱藩黒蝶統の会”から、定番酒第2号として送りだされた麦焼酎です。
醸されているのは、大分県臼杵市野津町の藤居酒造さんになります。
いわゆるPBということになりますでしょうか。
まず”脱藩黒蝶統の会”ですが、裏ラベルに下記のような説明書きがあります。
「全国の本格焼酎をこよなく愛す厳選された地酒屋酒販店様で構成され、革新的な取り組みにより焼酎文化の啓蒙を行う酒販グループの会であります。
会名称の意味…「Dappan(脱藩)」とは、あらゆる垣根を超え何か新しいビジョン(時代)を成す意志の表れを示し、「黒」は何にも染まらない公平で自由な色と捉え「アゲハ」は優雅で親しみ易く、魅了されることから、本会がそのように成していくことを願い名称としています。」
・・・なにか、並々ならぬ志を感じる会ですね。
次に藤居酒造さんですが、明治5年からの創業で長きにわたり今日まで焼酎を造っておられます。
”風光り水澄む里の酒蔵”を目指して、和醸良酒の心で酒造りに取り組んでおられるようです。
この「脱藩黒蝶 忠義」ですが、特徴の一つは原酒を山中深くの洞窟貯蔵庫で約9年間も熟成されていることにありますでしょうか。
う〜ん、長期熟成されていますね。
9年という時の刻みが、どういう形で花開いているのか楽しみになります。
原料は国産大麦、麦麹・黒麹で全麹仕込み、常圧蒸留で醸され、久保ん谷湧水を用いて造られた焼酎であります。
それでは、開栓してみましょう。
香りはといいますと、やや酸味を帯びた甘酸っぱい中に甘い麦の香りが漂います。
なんとも言えない麦のよい香りですね。
今宵も、定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まずごくほんのりと麦の甘味が広がります。
口当たりは長期熟成らしい優しさで、円やかさがありますね。
そして直後にキリッとドライな味わいが押し寄せます。
後味はドライな風味が支配的ではありますが、ほんのりとした麦の甘さが絶妙に追従してきます。
最後はごくほんのりとスモーキーな麦の芳ばしさが鼻にぬけます。
う〜ん、うまいですね〜。
円やかで優しい口当たり、黒麹らしいキリッとしたドライ風味、絶妙な麦の甘さ、味わいのバランスがうま〜くとれている焼酎だと思います。
個人的には、9年という時の刻みがその味わいをより一層繊細にしているのではと印象を受けました。
準麦チョコ風味ではありますが、麦チョコ風味を好まれる方でも満足いただける味わいだと思います。
”脱藩黒蝶統の会”の志を、そのままズバリ表現されているうまい焼酎だと思います。
一焼酎ファンとして、”脱藩黒蝶統の会”の志をこれからも大切にしていただければと思います。
2017年にご紹介する焼酎は、この焼酎で最後になります。
今年も有難くうまい焼酎で締めくくることができました。
当ブログへコメントを頂いたり、うまい焼酎の情報を下さった方々に大変感謝しています。
ありがとうございました。
来年もボチボチとなるとは思いますが、うまい焼酎をご紹介できればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

古琉球 七年

寒さが日に日に増してきますね。
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泡盛琉球 七年」です。
沖縄県豊見城市の忠孝酒造さんの一品です。
忠孝酒造さんは昭和24年からの創業で、比較的に新しい酒造さんですね。
蔵は那覇空港からほど近い所にあるようです。
琉球」シリーズは、今回ご紹介する「7年」の他に「3年」、「12年」とあるようです。
今回の「琉球 7年」は、知人が沖縄へ家族旅行へ行かれた際のお土産としていただきました。
焼酎好きの自分としては、ありがたいお土産です。
泡盛はこれまであまり試したことはありませんが、泡盛の7年ものの古酒ということでとても楽しみですね。
タイ産米の米麹仕込み、アルコール度数は25度の泡盛であります。
栓を開けますと、泡盛らしいお米の甘く芳ばしい香りがほんのりと漂います。
今宵もロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、お米の甘味がおだやかに広がります。
七年ものだけあった、とても円やかで穏やかな口あたりですね。
その後に泡盛らしいお米の芳ばしさが、沸き上がるようにフェードインしてきます。
後味はほんのりと甘味をのこしつつ、ややドライにキレますね。
そしてお米の芳ばしさがゆらりと鼻にぬけます。
ほ〜、うまいですね〜
古酒であるからとアルコール度数が25度だからでしょうか、全体的に円やかで柔らかい味わいとなっています。
こうして泡盛を味わっていますと、豆腐ようや島ラッキョウが恋しくなりますね〜
豆腐ようをチビチビと食べながら、泡盛をいただくと実にうまいんですよね。
ともあれなかなかうまい泡盛なので、お土産に持ってきてくれた知人にはとても感謝です。
久しぶりに泡盛を楽しみましたが、なかなか泡盛もうまいですね。
泡盛の世界も奥が深そうですが、ボチボチとその世界に足を踏み入れてみようかなと思いました。