うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

花は霧島

朝夕少しずつ涼しくなってきました。
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麦焼酎花は霧島」です。
鹿児島県は霧島市の霧島町蒸留所さんの一品です。
霧島町蒸留所さんは、明治44年からの創業で国立公園の霧島のふもと、大自然に囲まれた中で蔵を営まれています。
社名はもとはさつま霧島酒造でしたが、合弁でなくなる地名を残したいという願いから、今の霧島町蒸留所に変更されたようです。
さて霧島町蒸留所さんといえば、やはり芋焼酎明るい農村」が有名でしょうか。
しかしここは麦好き、あえて麦焼酎花は霧島」をチョイスしました。
実は「明るい農村」をまだ試したことがないので、機会あれば試してみたいと思っています。
今回ご紹介するのは、「花は霧島」の長期貯蔵になります。
甕壺で3年以上の貯蔵となっています。
名前の由来ですが、鹿児島民謡 オハラ節の♪花は霧島、たばこは国分、燃えてあがるは桜島♪からのようです。
霧島連山は、多くの草花や木々の花に覆われていて、登山道の起点となる高千穂河原から一歩山へ踏み込むと、花、花、花の連続なんだそうです。
霧島へは以前に一度だけ訪れたことがありますが、確かに緑豊かな美しいところでした。
きっと花も美しかったとことと思いますが、なぜかブルーベリー狩りとかして楽しんでました(笑)
温泉もとても素晴らしかったです。
またぜひ訪れてみたいですね。
その時は、景色の”花は霧島”を存分に楽しんでみたいと思います。
ちょっと脱線しましたが、「花は霧島」は麦を原料に麦麹・白麹仕込みで常圧蒸留で醸され、加水には霧島名水が使用された焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
ほんのり麦の中にあま〜い香りが漂います。
なかなかよい香りですね。
どんな味わいなのか、今宵もいつものロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、ほんのりとした甘味がまず広がります。
麦麦しさはほとんどなく、長期熟成らしい優しい口当たりです。
後味も口当たりのほんのりとした甘味を残しつつ、ごく穏やかに麦風味が鼻に抜け、すっとキレていきます。
うむむ、なかなかうまいですね・・・
全体的には、長期熟成ならではの円く優しい、穏やかな味わいです。
キレもよいので、するするっと飲める感じですね。
しかし優しいながらも麦のコクはしっかりとした、うまい焼酎だと思います。
準麦チョコ風味の麦焼酎といったところでしょうか。
自分は基本的にガツンと力強く麦麦しい麦焼酎が好みではありますが、「花は霧島」のような優しい味わいの中にしっかりとした麦のコクがある麦焼酎も、最近はいいなと思うようになりました。
夏も終わり秋に入り、秋の夜長にゆっくりとそしてじっくりと味わうのにピッタリの麦焼酎ではないでしょうか。
それぞれの蔵がその思いを表現した焼酎は、その時々の楽しみ方がありますね。
飲み手としてはこの上なし、焼酎は本当に奥深いですね。

超にごり麦汁

梅雨が明けたと思ったら、すごい猛暑になりました。
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久ぶりの更新になります。
麦焼酎超にごり麦汁」です。
麦焼酎麦汁」でお馴染みの、熊本県球磨郡の豊永酒造さんの一品です。
豊永酒造さんの麦焼酎は、以前に「超にごり麦汁 麦磨八十」をご紹介させていただきましたが、これが雑味デパートで刺激的でなんともすごい飲み応えのあるうまい焼酎でした。
今回ご紹介する「超にごり麦汁」は、夏限定の新酒になります。
涼し気なブルーのラベルが、夏の雰囲気にピッタリですね!
そしてこの焼酎の特徴は、蒸留したての原酒を無濾過、無調整で加水し、そのまま瓶詰されたところです。
写真でもはっきりとわかりますが、実によくにごってますね〜
どんな味わいなのかワクワクしますね。
国産はだか麦を原料に、麦麹・白麹仕込み常圧蒸留で醸され、無濾過、無調整の焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、沸き上がるような麦の甘く芳ばしい香りにツンとくるガス臭がお供についてきます。
新酒らしい荒々しい香りですね。
それでは暑い夏らしく、今回もロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まずぶわっと麦の甘味が広がります。
そして甘味の余韻を残しつつ、ややドライビターな風味がフェードインしてきます。
更に渋み、苦み、酸味といった様々な雑味が後に続きます。
これらの雑味は、どう表現すればよいのかわかりませんね(笑)
後味は甘さと辛さが絶妙なバランスでコラボしながら、ロースト麦の芳ばしい風味がゆらゆらと鼻に抜けていき、最後の最後はガス臭です。
うぉぉぉぉ、うまいですね〜
今回も期待を全く裏切らない、ものすごい飲み応えです。
基本的な幹の部分は、いわゆる麦チョコ風味の麦焼酎でありますが、新酒ならではそして無濾過、無調整ならではの雑味とガス風味が絶妙にうまさを演出されていますね。
特に飲み終わった後のロースト麦の芳ばしさ、雑味、ガス臭の余韻がいつまでもいつまでも長く続きます。
”麦”という素材を、豊永酒造さんらしく力強く表現されたうまい焼酎だと思います。
これだけの味わいですから、正直飲み手を選ぶ焼酎だと思います。
”麦”という素材を、余すことなく存分に味わってみたいと思われる方にはオススメの焼酎であります。
今回「超にごり麦汁」を試してみて、ますます豊永酒造ファンになる自分がいます。
豊永酒造さんの培ってこられた”何もひかない”という技術は、本当にすばらしいと思います。
そして一人の飲み手として、ここまで唸らせてもらえることも本当に有難く幸せなことだと思います。
豊永酒造さんのこれからのあくなき挑戦に、あらためてエールを送りたいと思います。

静寂の時

ゴールデンウィークまっただ中ですね。
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とうもろこし焼酎「静寂の時」です。
こちらも蕎麦焼酎珠玉」に続く、高千穂酒造さんの一品になります。
この「静寂の時」の特徴は、なんといっても原料にとうもろこしが使用されていることですね。
これまで、麦、芋、米、黒糖、蕎麦を原料とした焼酎をご紹介してきましたが、とうもろこしを原料とする焼酎は初めてになります。
とうもろこしを主原料とした蒸留酒として有名なのは、やはりバーボンウィスキーになりますでしょうか。
自分もかつては、I.W.ハーパーあたりを好んで飲んでいた時期もありました。
バーボンウィスキーの原料にはとうもろこしの他に麦が使用されており、アルコール度数も40度以上となっているようですが、「静寂の時」はとうもろこしのみを原料とされており、アルコール度数は25度に調整されています。
ただし熟成はバーボンウィスキーと同じく、樫樽でされています。
薄っすらと琥珀色なのは、樫樽によるものなのでしょうね。
やはり「静寂の時」は、バーボンウィスキーとは異なる生粋のとうもろこし焼酎ということになりますでしょうか。
ともあれとうもろこしという原料を、高千穂酒造さんが焼酎としてどう表現されているかがとても楽しみであります。
とうもろこし原料にとうもろこし麹・白麹の減圧蒸留で醸され、原酒を3年間樫樽で熟成し、南阿蘇の白川天然水仕上げの焼酎であります。
栓を開けますと、ややバーボンウィスキーにも似たなんとも言えない甘い香りがします。
このへんは、とうもろこし由来なんでしょうね。
それでは今宵も定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、やや酸味をおびたごくほんのりとしたフルーティーな甘味が口に広がります。
口当たりは、熟成酒らしい円みがあり優しいですね。
その後ドライビタターな味わいがゆっくりフェードインしてきます。
後味はドライビターな味わいが支配的な中、ほんのりとした甘味の余韻を残しながらスッとキレていきます。
ふむふむ、なかなかうまいです。
全体的には減圧蒸留らしいクセのないスッキリとした味わいで、長期熟成らしい円く優しい味わいとなっています。
しかしながら、とうもろこし由来と思われるコクがしっかりと味わえるうまい焼酎であります。
とうもろこしのみを原料とされていることで、しっかりとしたコクを育むことができているのではないかと思います。
このへんは、もしかすると高千穂酒造さんのねらいなのかもしれませんね。
時に”焼酎”とは、原料の持つ旨味を食すのとは違う別次元の表現できるツールのような気がします。
今回初めてとうもろこし焼酎を試してみて、焼酎は本当に面白いなとあらためて思うことができました。

珠玉

あっという間に3月ですね。
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麦焼酎珠玉」です。
宮崎県は西臼杵郡高千穂町の高千穂酒造さんの一品です。
高千穂酒造さんの焼酎は、これまで麦焼酎高千穂」(白ラベル)と「高千穂 零」をご紹介させていただきました。
どちらも黒麹らしいどっしりとした、ビターな準麦チョコ風味な麦焼酎でした。
今回ご紹介するのは、麦焼酎ではなく蕎麦焼酎になります。
麦焼酎を試すのは、これが2銘柄目になります。
以前に初めて試した千曲錦酒造さんの蕎麦焼酎帰山」がなかなかうまかったので、今回はそれに味をしめてまたまた蕎麦焼酎をチョイスしてみました。
帰山」は日本酒蔵ならではの黄麹・米麹で減圧蒸留で醸されていましたが、「珠玉」は白麹・蕎麦麹で常圧蒸留で醸されています。
100%蕎麦を原料とされているのと、麹、蒸留の違いがどう味わいに表現されているのかとっても楽しみであります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと・・・・香りはといいますと・・・(汗)
今年も例年通り、花粉に鼻がやられております(ToT)
しつこくクンクン嗅ぎ続けますと、ほんのり蕎麦の甘いかおりがしております。
本当はもっと蕎麦が香るのかもしれません。
では気を取り直しまして、今宵も定番のロックでいただいてみます。
口に含みますと、まずはしっかりとした蕎麦の甘味が広がります。
そして甘味はスッとキレて、一気にキリっとしたドライな風味が押し寄せます。
後味は辛口な味わいが支配しつつ、蕎麦独特の風味が鼻にぬけます。
うむむむ、うまいですね〜
全体的には、やや辛口の味わいでまとまっている感じです。
蕎麦麹のなせる業なのでしょうかね〜
最初に訪れるしっかりとした蕎麦の甘味と、直後に訪れるキリっとしたドライ風味のギャップが印象的なうまい焼酎であります。
氷の溶けが進むとドライな風味は若干抑えられるので、ひょっとすると湯割りにするとまた別の味わいが楽しめるのでは?と思います。
帰山」とはやはり異なる味わいで、蕎麦風味は常圧蒸留の「珠玉」の方が力強く感じます。
優しさの「帰山」、荒々しさの「珠玉」といったところでしょうか。
好みは飲み手によって分かれるのではないかと思います。
麦焼酎もなかなか面白いですね。
また機会があれば、新たな銘柄を試してみたいなと思います。
さて、先月の事になりますがバレンタインで妻からこのようなものを頂きました。


芋焼酎チョコレート!
芋焼酎富乃宝山」でお馴染みの西酒造さんとシルスマリアさんのコラボレートの一品です。
生チョコレートなんですが、面白いチョコレートがあるんですね。
焼酎好きとしましては、実に有難いです。
美味しく頂きました。
そんな妻のチョイスにとても感謝です。
ありがとう!

桜明日香 パストラーレⅡ ドゥーエ

厳しい寒さが続きますね。
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2018年にご紹介する初めての焼酎になります。
麦焼酎桜明日香 パストラーレⅡ ドゥーエ」です。
福岡県は久留米市田主丸町の紅乙女酒造さんの一品です。
紅乙女酒造さんといえば、やはり胡麻焼酎でしょうか。
以前に胡麻焼酎「黒施些美」をサンプルではありますが、ご紹介させていただきました。
黒施些美」は、まさに胡麻を食していると錯覚するような胡麻風味豊かなうまい焼酎でした。
そして麦焼酎は同じくサンプルではありますが、「桜明日香 シルバートップ」をご紹介させていただきました。
紅乙女酒造さんの麦焼酎桜明日香」シリーズは、海外を意識されているのでラベルの雰囲気が洋酒の雰囲気を醸し出していますね。
この「パストラーレ」もなかなかシックな感じで、文字は英語で書かれています。
さて今回ご紹介するのは、「」となっています。
パストラーレⅠ」は6年熟成の麦焼酎で、「パストラーレⅡ」はその後継酒となるようです。
そして驚くことに、「パストラーレⅡ」は1986年に醸され長期熟成された原酒を加水して25度に調整されたものとか!
酒屋さんの説明書きに”長期熟成30年”とあったのを、思わず2度見してしまいました。
昨年末にご紹介した「脱藩黒蝶 忠義」は9年熟成で、すごく長期だなぁと思っていましたが、30年熟成とはすごいですね!
しかもお値段は、英世が3人強でした。
原酒ではないものの、30年熟成酒でありながら見事なコストパフォーマンスであります。
30年という悠久の時の刻みが、この麦焼酎にどう表現されているのかとても楽しみですね。
米麹・白麹仕込みで常圧蒸留で醸され、長期熟成の麦焼酎であります。
栓を開けますと、麦?という感じのほんのりとした甘い香りです。
それでは、今年も定番のロックでいただいてまいりましょう。
口含みますと、ほんのりとした麦の甘味が広がります。
長期熟成らしい実に円やかで優しい口あたりですね。
口あたりがあまりに優しすぎて、スルスルと喉を通り越してしまいます。
やがてほんのりとした甘味の中に、ほんのりとドライな風味が広がって直線的にコラボしていきます。
後味はほんのりとした麦の芳ばしさを残しながら、すっとキレる感じです。
う〜ん、うまいですねぇ〜
いや実に円やか、実に優しい・・・
角という角をすべて取り去られているような感覚がします。
ですが、決して飲み応えがないというわけではありません。
麦の優しい甘味や、後味のほんのりとした麦の芳ばしさは飲み手を十分に楽しませてくれると思います。
表現が難しいですが、飲んで癒される”癒し系焼酎”とでも言いましょうか。
ふと気が付くと、心地よく酔えている・・・そんな感じです。
四半世紀以上の長い長い時が、包み込むように優しく癒してくれるうまい焼酎だと思います。
いわゆる麦チョコ風味の麦焼酎ではありませんが、麦チョコ風味を好まれる方にもぜひ試していただきたいと思う麦焼酎であります。
紅乙女酒造さんには、焼酎の奥深い世界をまた一つ見せていただいたような気がします。
2018年の最初にふさわしいうまい焼酎にめぐり逢うことができました。
今年一年、どんなうまい焼酎に出逢えるのかまた楽しみです。
更新はボチボチとなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。