うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

屋久の碧玉

梅雨まっただなかですね。

久しぶりの麦焼酎のご紹介です。
麦焼酎屋久の碧玉」です。
鹿児島県は熊毛郡屋久島町本坊酒造屋久島伝承蔵さんの一品です。
本坊酒造さんの焼酎は、以前に芋焼酎屋久の杜」をご紹介させていただきました。
屋久の杜」は、キリッと辛口のすっきりとしたうまい芋焼酎でした。
屋久の杜」は知覧工場で蒸留された原酒を屋久島工場で割水したものでしたが、
屋久の碧玉」は屋久島伝承蔵で仕込まれ、蒸留、熟成されています。
原料は鹿児島県産の大麦”ニシノチカラ”を50%まで精白して使われています。
それを明治20年来使用されている甕壺に仕込み、屋久島の軟水を使い、
麹室で手造りされた黒麹で発酵されています。
蒸溜後は、太忠岳山麓にある隧道にて甕壺で3年以上熟成されています。
すごいこだわりですね。
ちなみに「屋久の碧玉」は、アルコール度数43度の原酒となっております。
大麦”ニシノチカラ”を原料に、麦麹・黒麹、常圧蒸留で醸され、太忠岳隧道で3年以上熟成の原酒です。
栓を開けますと、麦というよりはややカラメルチックな実に甘〜い香りが漂います。
それでは定番ロックでいただいてみましょう。
口に含みますと・・・こっ、これは!
麦のしっかりとした甘みの中に、ほんのりと心地よい酸味があります。
この口あたりはまさに、シングルモルトウィスキーのようです。
長期熟成らしい、アルコール度数の高さを全く感じさせない実に柔らかい口あたりですね。
そして真骨頂は後味です。
麦の甘さとコクの余韻をしっかり残しながら、ロースト麦の芳ばしさが湧き上がるようにフェードインしてきます。
スモーキーな麦風味はゆっくりと鼻にぬけながら、最後の最後まで麦のコクがふわりと漂います。
おぉぉぉ!これは実にうまいですねぇ・・・
原酒故の味わい深さはあると思いますが、黒麹の為せるコク深さでもある気がします。
シングルモルトウィスキーのような口あたり、そしてしっかりとした麦の甘さとコク、
口の中にいっぱいに広がって鼻にぬける芳ばしいロースト麦風味、
そして麦の甘さとコクがコラボしたスモーキーな余韻・・・
実に飲みごたえのあるうまい麦焼酎だと思います。
う〜ん、飲めば飲むほどクセになりますね。
いわゆるしっかりとした麦チョコ風味なので、「兼八」、「特蒸泰明」、「麦冠情け嶋」あたりを好まれる方には気に入っていただけるのではないかと思います。
屋久島で今もなお脈々と受け継がれる伝承蔵さんの技術を、ぜひともこれからもずっと守っていただき、焼酎ファンを唸らせていただきたいと思います。
いい麦焼酎に出逢うことができました。
これはぜひ、常備したい一品であります。