秋も少しずつ深まってきました。
久しぶりに、ご当地焼酎のご紹介となります。
発売元は、山口県は美祢市大嶺町の山口美祢農業協同組合(JA山口美祢)さんとなります。
醸されたのは、福岡県筑後市の西吉田酒造さんです。
いわゆるPBということになりますでしょうか。
西吉田酒造さんの麦焼酎といえば、以前に「釈云麦」、「黒騎士」などをご紹介させていただきました。
西吉田酒造さんの麦焼酎は、どれも重厚で芳ばしい麦チョコ系のうまい焼酎の印象が強いですね。
今回も西吉田酒造さんの一品なので、とても期待がもてるところであります。
原料の麦は、JA山口美祢生産者が真心こめ栽培したものを厳選されたはだか麦ということです。
麦麹も同じはだか麦ということで、JA山口美祢さんの地産に対するこだわりを感じますね。
さて銘柄名の”秋吉台”ですが、山口県美祢市の中東部に広がる日本最大のカルスト台地のことになります。
カルスト台地とは石灰岩のような水に溶解しやすい岩石で構成された台地をいうようで、”秋吉台”も数十メートルから千メートル以上のとてつもない分厚い石灰岩で構成されています。
”秋吉台”は山口県の内陸ではありますが、太古の昔はそこは海底で石灰岩のもとはサンゴ礁だったようです。
地殻変動により、海底が隆起しこうなったとか・・・不思議な感じがします。
さらにその地下には長い年月の浸食により、秋芳洞、大正洞といった巨大な鍾乳洞が形成されています。
現在は国定公園かつ特別天然記念物となっていて、県内外から多くの観光客が訪れる山口県内の名所の一つとなっている所です。
ラベルに描かれたグリーンは、その”秋吉台”をイメージされたものとなっています。
上の2枚は秋吉台で撮影したものです。
台地は広大な草原ですが、秋に入っていたのでススキの穂が見られますね。
ラベルの下の方に描かれた白い粒粒は、たぶん地表にむき出しになった石灰岩だと思います。
近づくと、こんな感じです。
春先には山焼きが行われ初夏には青々とした草原が広がり、写真でうまくお伝えできませんが、とても爽やかな解放感を最高に味わえる所です。
おっと、当ブログは山口県の観光名所をご紹介するブログでなく、うまい焼酎をご紹介するブログなので本題にもどります。
JA山口美祢さんでは、この「秋吉台」の他に米焼酎「晴るる」、栗焼酎「あつ」が販売されています。
米も栗もそれぞれ原料は美祢産のものとなっているようです。
原料と麦麹に美祢産の厳選されたはだか麦を使用されていること以外は、残念ながら蒸留方法や熟成条件などがよくわからない焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、麦らしい甘くよい匂いがします。
今回も定番のロックでいただきます。
口に含みますと、穏やかに麦の甘味まず広がります。
甘味はほんのりとしていて、やがてドライビターな味わいがフェードインしてきます。
後味は甘味よりドライビターな風味がやや勝りながら、割とスッとキレていきます。
最後はごくほんのりと、スモーキーな麦の芳ばしさが鼻に抜けていきます。
う~ん、うまいですねぇ。
率直な印象は、西吉田酒造さんの麦焼酎らしい味わいの構成になっているな~という感じです。
西吉田酒造さんの焼酎を久しぶりに飲んだのですが、麦の香り、甘味、ドライビターな味わいの造り込みに、あ~これだこの味わいだとすぐに感じました。
全体的にはガツンと強い飲み応えではなく、どちらかと言えば円く優しい仕上がりになっています。
準麦チョコ風味といったところでしょうか、個人的には好みの味わいです。
西吉田酒造さんの麦焼酎はこれまで割りと個性の強いものをチョイスしていたので、実は「秋吉台」のような焼酎もきっと醸されているのでしょうね。
JA山口美祢さんと西吉田酒造さんとはどういうご縁であったかはわかりませんが、麦焼酎「秋吉台」という形でうまい麦焼酎を楽しむことができました。
JA山口美祢さんの地産に対する思いを、西吉田酒造さんがしっかりと汲み取っておられると思います。
山口県美祢市の大地で育まれたはだか麦を、西吉田酒造さんの見事な技で結晶化された麦焼酎「秋吉台」。
県民としても、ぜひ一度試していただきたい焼酎だと思います。