「道中 焙煎薫蒸醸し」です。
大分県は常徳屋酒造場さんの一品です。
赤と白のコントラストが粋な感じのラベルですね。
常徳屋酒造場さんといえば、以前にはだか麦焼酎「道中」を紹介させていただきました。
「道中」は、優しい味わいのほんのり麦チョコ風味のうまい焼酎です。
さて、「道中 焙煎薫蒸醸し」ですが、2年前ほどから仕込み始められた焼酎で、
ごく最近造られたようです。
「道中」と同じく、はだか麦を原料に造られておりますが、
違いはその名の通り、焙煎したはだか麦を2次仕込みで投入し発酵させているところのようです。
ラベルの裏を見てみますと、
ALL usaとありますね。まさに、Made in USA(宇佐)!
地産地消の焼酎であります。
常圧蒸留、麦麹・白麹で濾過をできるだけ控えめに造られた焼酎です。
栓を開けますと、麦の甘い香りというよりは、やはり焙煎風味のような香りです。
定番のロックでいただきました。
口に含みますと、「道中」と同じく、優しい麦の甘みがひろがります。
口あたりは、とてもまろやかです。
そして後味は麦のほんのり甘みとともに、
直線的に渋みと苦みがしっかりと広がります。
この渋みと苦みは、飲み進むほどにうまくなりクセになります。
後味は、麦チョコ風味とは異なりますが、
言うなればコーヒー風味といった感じでしょうか。
口あたりの麦の甘みと、後味の渋みと苦みがなんともクセになるうまい焼酎です。
焙煎したはだか麦のうまみを、うまく引き出されていると感じます。
麦の芳ばしさを違う次元で面白く捉えた、うまい焼酎だと思います。
「道中 焙煎薫蒸醸し」は、こんなエピソードがあるようです。
蒸留直後はこげ臭ばかりが際立って、
焙煎の良さをうまく表現できなかったと、とてもがっかりされたそうですが、
2年間寝かせたところ、焙煎麦のほのかな香りが花開いて
今の焼酎に仕上がったそうです。
永年焼酎造りに携われた蔵人達にも、予想もできない形で仕上がる焼酎は、
なんとも奥が深く面白いと思います。