秋も深まり、見事な紅葉もみられますね。
本日ご紹介するのは、「小鶴 the Banana」です。
小正醸造さんの醸される焼酎は、以前に麦焼酎「蔵の師魂」をご紹介させていただきました。
麦焼酎「蔵の師魂」は、ガツンとスッキリの中間的な味わいが印象的でした。
今回の「小鶴 the Banana」は芋焼酎になります。
ラベルにバナナのイラストが描かれ、キャップも黄色ですから一見バナナ焼酎?と思いそうですが、芋焼酎であります。
裏ラベルには、”原料にはバナナは含まれておりません”としっかり記載されております(笑)
では銘柄になぜ”the Banana”かといいますと、まるでバナナのような甘く柔らかな香りが表現されているのだそうです。
そのバナナの香りに一役買っているのが、白ブドウの品種のひとつであるソーヴィニヨン・ブラン由来の酵母。
このワイン酵母と原料の芋である黄金千貫を組み合わせることで、見事にバナナの香りを表現できたのだとか。
う~ん、どんな香りなのかとても楽しみですね。
ちなみに焼酎の香り成分は、焼酎全体の0.2%なんだそうです。
意外と少ないんですね。
その中でも焼酎の個性を形成する微量香気成分と呼ばれる揮発成分は、その10分の1の0.02%。
さらに芋焼酎にはならではの特微香であるモノテルペンアルコール、β-イオノン、β-ダマセノンという成分は、さらにその10分の1でわずか20ppmしかないんだそうです。
ppmオーダーの揮発成分をもってしてならではの香りが味わえる・・・芋焼酎おそるべしですね。
と、脱線してしまいましたが、黄金千貫を原料に米麹、ワイン酵母仕込みの焼酎を味わってみたいと思います。
それでは、ドキドキの開栓です。
香りはといいますと・・・おぉぉぉ!バナナだ!
いやこれは驚きました。
何度嗅いでもバナナ、しっかりとしたバナナの香りです。
瓶に掛けてあった札(写真は取り外してます)に、”◎炭酸割がサイコー!”と書いてありましたが、それを尻目にロックでいただきます。
口に運ぶ瞬間にまずふわりとバナナの香り、そしてほんのりバナナではなく芋の甘みが口の中に広がります。
口当たりは優しく、スッキリとしていますね。
後味は芋の甘みの中に心地よいドライな味わいが見え隠れしながら、最後にすっとキレていきます。
不思議ですね~
香りはバナナ、味は芋・・・
何度味わっても、香りはバナナで味は芋。
口に運ぶ瞬間まではバナナ、なんとも不思議なうまい芋焼酎であります。
正直、香りがあまりにバナナなので、頭がダマされて味わいにバナナ味をつい期待していまい狐につままれた感覚です。
今回入手できたのは四合瓶でしたので、面白がって飲んでいるとあっと言う間に空いてしまいました。
今度はぜひとも、一升瓶でしっかり楽しみたいですね。
「小鶴 the Banana」、小正醸造さんの香りのマジックが見事に凝縮されています。
スッキリとした味わいの芋焼酎なので、焼酎をこれから試されたいと思われる方にもオススメです。
ぜひバナナの香りをご堪能いただければと思います。
少し前にこのような本を入手しました。
dancyu 読本です。
焼酎は、今や世界が注目しはじめているということです。
豊かで美しいフレーバーに、世界が魅了されつつあるようです。
本日ご紹介した「小鶴 the Banana」もその一つなのだと思います。
この本を読んでいて特に印象に残ったのは、本の中で紹介されている蔵の人々の顔つきや笑顔・・・
みなさん、実にイイ目をしていらっしゃるんです。
これからの焼酎の未来に期待が持てる一冊でした。