朝夕と涼しくなり、秋らしくなってきました。
本日ご紹介するのは、信州蕎麦焼酎「峠」です。
橘倉酒造さんは、元禄時代から300年という長きにわたり酒造りをされている日本酒蔵です。
清酒の代表銘柄は、「菊秀」、「無尽蔵」といった銘柄のようです。
橘倉酒造さんは、”酒は工業製品ではなく、美しい風土と微生物がもたらす“自然の賜である”という素晴らしい理念のもとに酒造りを営まれておられます。
その蔵が手掛けられている焼酎が、この「峠」になります。
アルコール度数は、本日ご紹介する25度の他に21度と35度があるようです。
35度のものには、さらに甕貯蔵長期熟成品もあるようです。
特徴的なのは、清酒蔵ならではの黄麹、吟醸酵母が用いられているところでしょうか。
以前ご紹介した同じ信州の千曲錦酒造さんの蕎麦焼酎「帰山」も、黄麹が用いられていました。
ただし「帰山」は減圧蒸留で、「峠」は常圧蒸留となっております。
味わいがどう異なるのか、楽しみですね。
信州産の蕎麦を使い、黄麹・米麹仕込み、常圧蒸留で醸された焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、かなりしっかりとした蕎麦の甘い香りです。
ほんのりガス臭らしきものも感じられ、これまで試した蕎麦焼酎とは明らかに異なる強い香りですね。
それではロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まず円やかに蕎麦の甘みが広がります。
優しい味わいなのかな・・・
思いきや、甘みの中にドライな風味がフェードインすると同時に独特な雑味と共に、蕎麦の芳ばしさが沸き上がるように爆発です。
後味は甘さ辛さのほどよいバランスの中、蕎麦の芳ばしい香りが鼻に抜けながら、最後にどっしりとした何とも言えない蕎麦のコクが広がります。
ぐはっ、これはすごいですねぇ。
これは、「帰山」といったこれまで試した蕎麦焼酎とは明らかに一線を画しますね。
とにかくものすごい飲みごたえがあります。
このへんは常圧蒸留ならではの味わいなのかもしれません。
口当たりから後味までの味わいの変化がかなり面白いです。
特に後味の蕎麦の芳ばしさ抜群で、コクとともに余韻がいつまでも続くうまい焼酎であります。
飲み進むほどに、蕎麦の芳ばしさとコクが引き込まれるようにクセになっていきます。
この力強い味わいに、ふと湯割りを試してみたくなりました。
湯割りにすると、味わいはやや大人しくなりややドライな風味が引き立ちますね。
しかし後味の芳ばしさとコクは健在で、なかなかうまいです。
もし蕎麦湯で割ることできれば、さらに味わいを楽しめるのではないかと思います。
クセの強さは飲み手を選ぶかとは思われますが、個人的にはそのクセがかなり気に入りました。
飲みごたえのある蕎麦焼酎をお探しの方には、オススメの蕎麦焼酎であります。
今回は25度のものを試しましたが、機会あれば35度のものをぜひとも試してみたいと思います。
蕎麦焼酎はまだほんの少し試しただけですが、その味わいに面白さを感じました。
焼酎は本当に奥深いですね。