うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

ぬ魔

ずいぶん暖かくなり、桜の時期も終わりそうですね。

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麦焼酎ぬ魔」です。

脱藩黒蝶統の会こと、黒あげはの会からプロデュースされた焼酎です。

醸されたのは、宮崎県は日南市の古澤醸造さんになります。

古澤醸造さんは明治25年創業、長きにわたり焼酎造りをされています。

宮崎県内では唯一、創業当時からの土蔵造りの醸造蔵で昔ながらの焼酎造りを継承しておられるようです。

土蔵は一年を通して温度差が小さく、焼酎造りには最適なんだそうです。

さて今回ご紹介する麦焼酎ぬ魔」ですが、限定480本と流通する本数がとても少ない焼酎です。

最大の特徴は、”低度数原酒”。

通常焼酎の原酒は、アルコール度数40度あたりで蒸留されますが、「ぬ魔」は30度で蒸留されています。

一般的には、アルコール度数40度の原酒を加水により25度に仕上げられますが、「ぬ魔」は30度で蒸留することで加水することなく瓶詰されています。

原酒でありながら、飲みやすいアルコール度数になっているという面白い焼酎ですね!

ラベルの女性は、焼酎造りに奮闘する女性杜氏(架空)なんだそうです。

「pure & pleasant undiluted  absolutely incredible genshu」

直訳すると、”無加水は純粋な喜び、原酒とはとても信じがたい”といったところでしょうか。

一体どんな味わいの原酒なのか、今回黒あげはの会はどんなことをやってきたのか・・・

とてもワクワクしますね。

国産麦を原料に麦麹、低度数常圧蒸留で醸された原酒であります。

 

それでは開栓してみましょう。

香りはといいますと、かなりしっかりとした麦麦しい芳ばしさが漂います。

おぉ、毎年この時期は花粉で鼻をやられますが、それでもしっかりと香ります。

ではでは、定番のロックでいただきます。

口に含みますと、まずほんのりとした麦の甘み広がります。

そして甘みの直後に、キリっとした辛さがフェードインしてきます。

後味は甘さより辛さが支配的で、爆発的に沸き上がるロースト麦の芳ばしさとともに直線的に広がります。

やがてロースト麦の芳ばしさは鼻に抜けながら、独特な雑味の余韻が残ります。

ロースト麦フレーバーの余韻は、飲み終わった後もしばらく続きます。

ぐぐぐっ、うまいですねぇ・・・

かなりの飲みごたえです。

アルコール度数が30度に調整されていますので、加水された焼酎の感覚で飲めます。

ですが原酒なので、麦の味わいが実に濃厚なうまい焼酎であります。

グラスに注いだときにやや白く濁っているので、おそらく濾過は控えめなのではと思います。

余韻の雑味は、このへんの影響もあるのでしょうか。

それにしても、”低度数原酒”恐るべしですね!

加水された焼酎を飲む感覚で、原酒ならではの味わいを存分に楽しむことができます。

正直すごいとしか言いようがなく、まさに斜め45度上を行っていますね。

黒あげは会の焼酎に対する探究心の「熱」を垣間見れた気がします。

その陰で鋭く光る古澤醸造さんの造る技術も、本当にすばらしいですね。

 

古くから伝統的に脈々と造られつづけながらも、常に進化しつづける・・・

焼酎は実に奥が深いです。