うまい焼酎を探して

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特蒸泰明 平成二十五年新焼酎


特蒸泰明 平成二十五年新焼酎」です。
大分県豊後大野市千歳町の藤居醸造さんの一品です。
藤居醸造さんの焼酎は、「特蒸泰明」、「トヨノカゼ」、「自然麦」を紹介させていただきました。
どれもうまい麦焼酎で、藤居醸造さんの焼酎造りのレベルの高さを感じます。
ちなみに「特蒸泰明」、「トヨノカゼ」は今ではお気に入りの常備焼酎となっております。
今回ご紹介する「特蒸泰明 平成二十五年新焼酎」は、「特蒸泰明」の季節限定の新酒になります。
通常焼酎は、出来上がってから3ヵ月以上は寝かせるのが一般的なようです。
味の粗さを整えるのと、蒸留過程で混入したアルデヒドやイオウ等の揮発成分を飛ばしてガス臭をなくすことを目的とするようです。
さらに寝かせることで、アルコールと水がどんどん馴染んでいくんだそうです。
新酒は、寝かせることなく蒸留したてを即瓶詰されたものになります。
芋焼酎では新酒の焼酎をよく目にすることがありますが、
特に穀類(麦・米・トウモロコシ等)を原料とした焼酎は、蒸留したての段階では、香りが強く味も粗いため、半年から一年以上寝かせたり、ブレンドされたりが一般的で、
麦を原料にした新酒はとても珍しいようです。
藤居醸造さんにとっても初めての試みだそうで、独自の製法で仕上げられているようです。
自分は新酒を試すのは初めてで、大好きな「特蒸泰明」の新酒とあって期待が高まります。
豊後産の二条大麦を原料に白麹・麦麹、常圧蒸留で醸された新酒であります。
瓶が透明なので、中身が白く濁っているのがよくわかります。

栓を開けてみますと・・・
おっ!シュポッとガスの抜ける音がします。
びっくりです!新酒ならではですね。
香りは麦の甘い香りに、やや酸味のような香りが加わっているような感じです。
とてもよく香ります。
では定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、口あたりはそれほど粗々しくはなく、
甘み、酸味、苦みといったいろんな味わいが同時に広がります。
その後にスモーキーな麦の芳ばしさが漂い、キリっとドライになります。
後味は麦の甘みを保ちふんわりと酸味を含み、ややドライにキレながらスモーキーな麦の芳ばしさが鼻に抜けていきます。
そして湧き上がるようにスモーキーな麦の芳ばしさの余韻が続きます。
おぉぉ!うまいですねぇ・・・・
常備の「特蒸泰明」と飲み比べてみると、新酒の方が刺激的で香り高く後味の麦の芳ばしさが力強いのがよくわかります。
飲みごたえのあるはずの「特蒸泰明」が、洗練されてやや大人しく感じられるほどです。
う〜ん、すごいですね。
自分はこれまで調熟された焼酎の味わいしか知りませんでした。
蔵人は蒸留したての焼酎の味わいも調熟したての焼酎の味わいもご存じなでしょうから、
熟成することで、円やかさや口あたりの良さ、芳醇さが得られると同時に失われていく味わいがある・・・・
そこにきっと蔵人としてのジレンマがあったのかもしれません。
蒸留したての焼酎には、それならではの深い味わいがある。
その良さを飲み手に伝えたい・・・そんな蔵人の熱い思いが伝わってくる気がします。
特蒸泰明 平成二十五年新酒」は、焼酎藤居醸造さんが麦焼酎の世界に一石を投じた一つの大きなチャレンジだったのだと思います。
藤居醸造さんには、これからもぜひうまい焼酎造りの探求を続けていただきたいと思います。
焼酎ファン、特に麦チョコ風味焼酎ファンの方には、ぜひとも試していただきたいうまい焼酎であります。