うまい焼酎を探して

うまい焼酎を探し求めて旅しています・・・

藤の露

1月もあっと言う間に後半ですね。

麦焼酎藤の露」です。
宮崎県は東臼杵郡の藤本本店さんの一品です。
藤本本店さんは明治10年からの創業で、もともとは麹屋さんであったようです。
今日まで永きにわたり焼酎のみを造っておられます。
現在は四代目の若き杜氏が一人で醸しておられるようで、年100石ほどと非常に少ない生産量だそうです。
藤の露」の原料の麦は二条大麦(ニシノチカラ)が使用されています。
そして特徴としては、使用されている麹にあります。
米麹なんですが、清酒大吟醸酒を造るときに使用される”蓋麹”を使われているようです。
割水には、秘境と呼ぶにふさわしい諸塚山の山麓に湧き出る湧水を使用されているようです。
米麹の麦焼酎はこれまで「千々」、「吉酎」、「六代蔵」などを試してみましたが、いずれもスッキリとした味わいでした。
藤の露」はどんな味わいなのか楽しみですね。
二条大麦を原料に米麹を使用し常圧蒸留で醸された麦焼酎であります。
栓を開けてみますと、ごくほんのりと麦の甘い香りがします。
あまり麦麦しくはないですね。
では定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、ほんのりとした甘みが広がります。
口あたりはとても円やかで優しいですね。
そして直後になんとも言えない独特なビターなコクがひろがります。
後味はほんのりとした甘さと独特なビターな風味がコラボします。
最後に独特なビターな感じが鼻を抜け、余韻がかなり残ります。
う〜ん、独特ですねぇ・・・
ほんのりと米の甘さの中に独特なほろ苦さ・・・
これまでに試してきた麦焼酎にはない独特なビター風味を持つ麦焼酎ですね。
全体的に優しい口あたりとほんのりとした甘さで、強いインパクトはそれほどありませんが、
後味の独特なビターな余韻を永く楽しむことができ、飲みごたえは十分だと思います。
飲み進めるうちに、この独特なほろ苦さがなんともクセになりそうなうまい焼酎であります。
麦という原料を、藤本本店さんならではの味わいを表現されていますね。
いわゆる麦チョコ風味とは異なる風味ではありますが、
麦の味わいをまた別次元で深く味わえるのも面白いのではないかと思います。
個人的にはこういった個性のある麦焼酎を楽しめるのも、
麦焼酎を味わう一つの醍醐味であると感じます。
藤本本店さんには、ならではの麦焼酎づくりをこれからもぜひとも造り続けていただきたいと思います。