ゴールデンウィークもステイホームで終わろうとしています。
麦焼酎「蛙の寝言」です。
鹿児島県は阿久根市にあります、鹿児島酒造さんの一品です。
鹿児島酒造さんの麦焼酎は、ずいぶん前になりますが「大島」をご紹介させていただきました。
麦焼酎「大島」は、ほんのり麦チョコ風味のうまい焼酎で、自分のお気に入りの一つでもあります。
「大島」は”黒瀬杜氏”と呼ばれる黒瀬安光氏により手掛けられていますが、今回ご紹介する「蛙の寝言」も黒瀬安光氏が手掛けられています。
ラベルのベースは緑色、でっかいオタマジャクシのシールと水連の葉の上で気持ちよさそうに寝ている蛙、メタリックグリーンの蛙のシルエットが描かれています。
緑は健康を表現、モチーフとされている青蛙は天災を予知できる神であり、大変縁起の良い福の神でもあるようです。
赤文字で”福カエル 若カエル 幸せカエル”とありますが、蛙の福の神様ならではの縁起の良さですね。
さて、前回ご紹介した「大島」は常圧蒸留で醸されていましたが、「蛙の寝言」も同じ常圧蒸留となっています。
しかしながら「大島」は麦麹・白麹仕込みでしたが、「蛙の寝言」は麦麹・白麹と黒麹のブレンドとなっております。
このへんの違いが味わいにどう出るか、とても楽しみですね。
ちょうど田植えの始まるこの季節、外では蛙の元気な鳴き声が聞こえます。
今宵は蛙の鳴き声を肴に、「蛙の寝言」をいただいてみましょう。
栓を開けますと、それほど麦麦しくはないとても甘~い香りが漂います。
では定番のロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まずどっしりとした麦の甘みが広がります。
その直後に甘みはすっと消えて、変わってガツンとドライな味わいが広がります。
後味は、ドライな風味の中にビターな風味がフェードインし、直線的にドライビターな味わいです。
そして最後に、ごくほんのりとスモーキーな麦の芳ばしさが優しく鼻に抜けます。
う~ん・・・・うまいですねぇ。
どっしりとした甘みとドライビターな後味は、どちらかと言えば黒麹らしい焼酎といった印象です。
しかしながら、口当たりの円やかさや後味の優しさは白麹の焼酎といったところでしょうか。
黒麹の特徴と白麹の特徴を、黒瀬安光氏の技でうまくコラボされたうまい焼酎であります。
ここで、常備の「大島」と飲み比べてみました。
口当たりの円やかさと最後まで優しい甘み、スモーキー麦の芳ばしさの優しい余韻・・・
やはり白麹らしい焼酎ですね~あらためて実感です。
このへんの麹の違いを、じっくり楽しめるのもなかなか面白いです。
鹿児島酒造さんの醸す焼酎のレベルの高さを感じます。
「蛙の寝言」、「大島」どちらも麦チョコ風味を好まれる方であれば、気に入っていただけるのではと思います。
優しく円やかな味わいを求められるなら「大島」、どっしりとした力強さを求められるなら「蛙の寝言」というところでしょうか。
遠くに蛙の鳴き声を聞きながら「蛙の寝言」を味わいつつ、”平穏な日常にカエル”ことを切に青蛙の神様にお願いしたいですね。