秋も深まってきましたね。
ラベルにある甕を運ぶ2匹の鬼が、なんともかわいらしい感じです。
ちなみに八丈島には、山が大噴火したときに大切にしていた酒を守ろうとして溶岩にのまれたという鬼夫婦の伝説があるそうです。
ラベルは、その鬼夫婦の伝説を表しているものなんでしょうね。
さて八丈興発さんの焼酎は、「麦冠情け嶋」をはじめとした麦焼酎や芋焼酎「芋 情け嶋」などをご紹介させていただきました。
とくに麦焼酎「麦冠情け嶋」は、甘みとロースト麦の芳ばしさが沸き上がるように爆発する味わいで、自分のとってもお気に入りの焼酎であります。
その八丈興発さんの醸す「情け嶋 鬼ラベル」ですが、芋焼酎と麦焼酎をブレンドしたハイブリッドとなっています。
ブレンド割合は、芋焼酎6に対し麦焼酎4で芋焼酎の割合を若干多くされていますね。
芋・麦焼酎のブレンド焼酎は、以前に白玉醸造さんの「元老院」を試しましたが、こちらはとてもすっきりとした味わいでした。
「情け嶋 鬼ラベル」はどのような味わいになっているのか、ちょっとワクワクしますね。
芋焼酎の原料となる芋は、赤てるこ、白てることいった地芋の他に千葉の紅東が使用されているようです。
麹は麦麹・白麹仕込みで、常圧蒸留で醸された焼酎であります。
それでは開栓してみましょう。
香りはといいますと、芋の甘い・・・いや麦の芳ばしい・・・独特なやや酸味のある感じがします。
独特な香りですが、ほんのりでなくしっかりとしていますね。
秋の夜長をロックでいただいてみましょう。
口に含みますと、まず最初に訪れるのは芋のほんのりとした甘みです。
そして広がる甘みの中で、麦の甘みも見え隠れします。
口当たりはとっても優しいですね。
後味は直線的に広がる甘みの中に、ロースト麦の芳ばしさが押し寄せるようにフェードインしてきます。
甘みとロースト麦の芳ばしさは直線的にコラボしながら、最後はキリッとドライでややビターな余韻でキレていきます。
おぉぉ・・・うまいですねぇ。
口当たりをはじめとし、全体的には白麹の焼酎らしい優しい味わいにまとめられています。
ですが香りの変化や口に含んでから刻々と移り変わる味わいの変化は、実に面白く味わい深いうまい焼酎であります。
芋焼酎と麦焼酎がブレンドされたことは、お互いの良さを打ち消しあうことは決してなく、それぞれの良さを瞬間瞬間で表現する形となっています。
”芋焼酎であり麦焼酎”、同時に味わえるそれが「情け嶋 鬼ラベル」ではないでしょうか。
「麦冠情け嶋」を味わって、八丈興発さんの焼酎のポテンシャルの高さはわかったつもりでいましたが、「情け嶋 鬼ラベル」を試してみて改めてすごさを実感です。
焼酎の持つ無限の可能性を、また垣間見れた気がしました。